過去最多の5人が立候補した猪名川町長選は20日に投開票され、無所属現職の岡本信司氏(70)=国民民主党推薦=が再選を決めた。大阪市職員時代を含め、行政に携わった48年間の経験と成果をアピールし、新人4人を破った。参院選、町議補選(欠員2)との同日選で投票率は65・60%となり、県知事選、町議補選と重なった前回を11・17ポイント上回った。
「時計の針を戻さず前へ」と訴えてきた岡本氏が再び信任を得た。前回選は「道の駅いながわ」(同町万善)移転の是非を争点に12年ぶりの選挙戦となり、事業凍結を掲げた岡本氏が、新人4人による激戦を制して初当選。今回は国民民主から推薦を得たほか、町議らからも党派を超えて支援を受けた。前回選当時、道の駅移転に賛成だった町議らも含まれ、岡本氏は「町を良くするため前へ進めようという思いで大同団結できた」と語った。
1期目の成果として、町長給与の35%を削減し、カット分の約6割を職員研修の充実に充てたことなどを挙げた一方、町民からの「コミュニケーション不足」との声を受け止め、町政報告会や意見交換会の制度化を約束した。
元町議末松早苗氏(63)は町北部の公共交通の利便性向上、元町職員真田保典氏(63)はふるさと納税の拡充、元町議高岡美津子氏(58)=日本維新の会推薦=は大規模町有地への企業誘致、元会社員西野正彦氏(63)はニュータウン活性化などを訴えたが、及ばなかった。(吉田敦史)
【リンク】猪名川町長選の結果