背中に2カ所のファンを取り付けた空調ベストを着て、作業する神戸市建設局中部建設事務所の職員。中に保冷剤を入れるポケットもあり、より冷気を感じながら仕事に集中できるという=神戸市中央区三宮町1
背中に2カ所のファンを取り付けた空調ベストを着て、作業する神戸市建設局中部建設事務所の職員。中に保冷剤を入れるポケットもあり、より冷気を感じながら仕事に集中できるという=神戸市中央区三宮町1

 気温が40度を超える「酷暑」に対し、企業が職場の熱中症対策強化を急いでいる。製造や建設など兵庫県内の現場では、体を冷やす休憩室を設けるなど、働く人の安全を守り、作業効率も維持するための知恵を絞る。背景には年々深刻化する職場での熱中症被害があり、今夏から企業に対策が義務付けられた。兵庫労働局は、お盆休暇明けなど体が暑さに慣れない中での勤務に警鐘を鳴らしている。

 昨年、県内の職場で熱中症を発症し、4日以上の休み(見込みを含む)が必要になった人は、過去最多の計46人に上った。企業が労働基準監督署に届ける「労働者死傷病報告」をもとに、同労働局が集計した。