神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 神戸市西区で2023年6月、穂坂修(なお)ちゃん=当時(6)=を暴行して死亡させ、遺体を草むらに遺棄したとして、傷害致死と死体遺棄の罪に問われた母親の沙喜被告(37)ら3姉妹の裁判員裁判の判決公判が14日、神戸地裁であった。松田道別裁判長は沙喜被告に懲役4年(求刑懲役8年)、叔母の朝美(ともみ)被告(33)と朝華(あさか)被告(33)にそれぞれ懲役3年、執行猶予5年(同7年)を言い渡した。

 判決によると、3人は叔父の大地被告(34)と共謀し、23年6月19日、同市西区の自宅で、修ちゃんの背中を鉄パイプで多数回殴り、背中に乗って跳びはねるなどして外傷性ショックで死亡させ、遺体をスーツケースに入れて近くの草むらに遺棄した。

 裁判では、大地被告が家族に日常的に暴行し、被告らに修ちゃんを殴るよう指示したことが語られた。松田裁判長は、大地被告が沙喜被告らを暴力やマインドコントロールで支配し、3姉妹は従属的な立場だったと強調した。

 沙喜被告については、大地被告から性的暴力などを受け被害者としての側面があったとしつつ「母親という立場にありながら、痛いと叫ぶ被害者を二度も鉄パイプで殴打し、救護することもなかった」とし、実刑は免れないと断じた。

 朝美、朝華被告の弁護人は、2人は大地被告に恐怖で支配され、事件を回避する行動ができなかったとして無罪を求めた。だが裁判長は、2人が大地被告の命令を聞かなかったり、命じられて殴る際に力加減をしたりしたことに触れ「現実の状況を前提として命令に反する判断ができていた」と弁護側の主張を退けた。

 松田裁判長は「被害者は成長を見守ってくれるはずの母らからの強度かつ理不尽な暴行で死に至り、絶望感や無念は察するに余りある」と非難。一方で、被告らが事件を悔い、反省していることも量刑で考慮したとし「ずっと忘れず、生きて償い続けて」と説いた。

 大地被告は家族への傷害罪などでも起訴されたが、裁判は始まっていない。