国立公文書館に所蔵されている「旧国家総動員関係死亡者名簿」=東京都千代田区
国立公文書館に所蔵されている「旧国家総動員関係死亡者名簿」=東京都千代田区

 太平洋戦争直前から始まった「国民徴用令」などにより兵庫県内の軍需工場で働かされ、空襲などで亡くなった688人分の名簿が国立公文書館(東京都)に残されていることが12日、神戸新聞社の取材で分かった。氏名や本籍地、死亡時の状況などが記され、全国各地から動員された10~60代が命を落とした実態がうかがえる。研究者も「これだけの数がそろった名簿は見たことがない」と注目する。(杉山雅崇)

 本紙が国立公文書館で確認した名簿は、兵庫県に関連する死没者が掲載された計4冊の「旧国家総動員関係死没者名簿」。この名簿の存在に、戦時中の映像などを収集する「豊の国宇佐市塾」(大分県)の織田祐輔さん(39)=姫路市出身=が気づき、本紙が分析した。

 名簿は、川西航空機(現新明和工業)や川崎航空機(現川崎重工業)、播磨造船所(現IHI)など県内にあった企業・事業所、学生を派遣した学校ごとに死没者がまとめられていた。本紙の調べでは、688人のうち、明らかに重複とみられる人が少なくとも11人おり、それ以外の677人について分析した。