移設するため、クレーン車につり下げられた蒸気機関車(上)。下は切り離された台車部分=9日午後、神戸市灘区王子町3、市立王子動物園(撮影・笠原次郎)
移設するため、クレーン車につり下げられた蒸気機関車(上)。下は切り離された台車部分=9日午後、神戸市灘区王子町3、市立王子動物園(撮影・笠原次郎)

 神戸市立王子動物園(同市灘区)で展示され、市民から長年親しまれてきた蒸気機関車(SL)が9日、搬出された。王子公園の再整備に伴う動物園のリニューアル作業の一環で、約90年前に車両が製造された同市須磨区の工場跡地近くにある公園に移設される。

 このSLは1938年、当時の鉄道省の鷹取工場でつくられ、71年に旧国鉄から無償貸与を受けた市が展示を始めた。91年には車掌車(展示では客車に改修)2両も展示に加わった。

 8日には、車掌車と炭水車が先に「生まれ故郷」近くの下中島公園(同市須磨区)に運ばれた。続く9日は、ボイラーと動輪の上下に分解された機関車(長さ約12メートル、重さ約69トン)がクレーンで慎重に持ち上げられた。強風で作業が中断する場面もあったが、トレーラー2台に無事に積み込まれた。

 市によると、移設先の公園でも、王子動物園と同様に4両を並べて展示。本年度中には作業を終えて来春にも一般開放を始めるといい、「SLを中心に多くの人が集い、交流できるスペースにしたい」としている。(安福直剛)