3大会ぶりに戻ってきた大舞台の予選を終えると、自然と涙が出た。6日、パリ五輪の陸上男子やり投げに登場したディーン元気(ミズノ、神戸市西区出身)。「12年間の思いがふと来た。自分を褒めたい」。1投目にシーズンベストの82メートル48を記録。決勝進出にわずか43センチ届かなかったが、古里兵庫を愛する32歳が復活した姿を見せた。
2023年10月。杭州アジア大会で3位に輝いた約1週間後、ディーンは加東市の社高を訪ねた。尼崎市立尼崎高時代に指導を受けた大久保良正さん(52)=現社高陸上部顧問=に、メダルを見せるためだ。グラウンドでは自ら恩師の教え子へアドバイス。「頼んでいなくても教えてくれる」と大久保さんは感謝する。