出石の名物と言えば「皿そば」ですが、元々そばの生産が盛んで栄えた文化ではありません。そのため北海道産など品質の高いそば粉を使っています。しかし「地元のものを食べたい」というお客さんの素直な願い、地産地消や持続可能な開発目標(SDGs)の流れもあり、少しずつですが出石産のそばも栽培されているんです。
有機栽培にこだわるナカツカサファーム。わが家も野菜をよく購入しますが、どれも味が濃ゆくて甘い、個性あふれる美味。そばの栽培を始めて15年。試行錯誤を重ね、今は「にじゆたか」という品種を育てています。
やせた土地でも育つと聞いたことがあるし、種まきから2カ月ほどで収穫というと、比較的楽な作物なのかと思いきや、そばはとても繊細。湿害に弱く、こけやすい。収穫適期も2週間ほどと短いので、のんびりしてはいられません。
気温が高いと成長しすぎて倒れてしまうので、酷暑の今年は種まきの時期をずらしたそうです。台風の影響もなく、おかげで豊作だとか。出石そばを地元産そば粉だけにするにはまだまだ時間がかかるし人手も必要。後継者も募集中です。あなたも但馬の風に吹かれてそばを作ってみませんか?
11月8、9日は4年ぶりの新そばまつり、12月6日は新そば解禁日です。地元産のそばには限りがあるのでお早めに。