生野銀山の坑道前にたたずむ河合美智子さん
生野銀山の坑道前にたたずむ河合美智子さん

 但馬を気に入っている理由は数あれど、中でも「歴史を身近に感じられる」というのが大きい。「確かにそこにあった、確かにそこで暮らしていた」と素直に思える瞬間が多く、昔からずっと繋(つな)がっていることを信じられる。知識だけではないリアルな感覚にワクワクするのだ。ここもそう。「生野銀山」(朝来市生野町小野)に行ってきた。

 1200年以上前に発見され、本格的な採掘が始まったのは戦国時代。昭和48年に閉山するまで、400年以上にわたり採掘された日本屈指の鉱山である。まるでアリの巣のように掘り進んだ坑道の総延長は350キロ以上(生野銀山から静岡県・浜名湖まで行けちゃうくらいの距離)、深さは880メートルに達しているという。そのうち観光坑道が約千メートルあり、現代坑道と江戸時代の坑道を同時に体験することができる。

 中に入ると、歴史の重みを肌で感じ圧倒された。日の当たらない坑道で、気の遠くなるような作業を延々と続けていた人々がどんな思いでいたのか想像するだけで息苦しくなるが、それをいい具合に楽しい気分にさせてくれるのが、採掘作業を再現した人形たち「銀山ボーイズ」。移住前にテレビ番組で特集されているのを偶然見ていたのだが、その後出演したクイズ番組の問題として出てきて、見事正解、優勝させてもらったことがある。

 正真正銘の地下アイドル「銀山ボーイズ」。お土産館に置いてある全メンバーのプロフィールは坑道に入る前にゲットすることをおススメする。