美方広域消防本部は、11月に兵庫県美方郡香美町香住区若松と同区下浜で起きた2件の建物火災でそれぞれ初期消火に協力したとして、1事業所と住民ら男性3人に消防長感謝状を贈った。
若松の火災は11月10日夕、かつてロープを製造していた工場跡の木造平屋で、機械などの解体作業中に起きた。道を挟んだ向かいにある「香洋自動車」の山本繁社長(55)と社員たちは、会社に備え付けの消火器を持ち寄って消火した。
「オイルに引火して屋内は真っ黒な煙が充満し、中が見えない状況だった。近隣は木造の建物が多く、公立香住病院も近いので消し止めるのに必死だった」と山本社長。社員はほぼ全員が消防団に所属しており、部屋に酸素が入らないよう建物の窓を閉めるなど連携して行動した。
下浜の火災は同23日朝、木造2階建て住宅の2階で発生した。火事に気付いた同区下浜の民宿経営、川本剛志さん(54)と長男光生(みつき)さん(27)、同区香住の民宿経営、松井智彦さん(44)は、消火栓からホースを延ばして放水した。
火の勢いが弱まると、剛志さんは屋根に登って火元の部屋に入り、消火器で延焼拡大を防いだ。元消防団員の剛志さんは「毎年の防災訓練や消防団での経験が生きた」と話した。
松森正広消防長は「消防が現場に到着した時点で、火が広がっているケースも多い。火が小さいうちに早期発見、初期消火できると被害も小さくなる」と感謝の言葉を述べた。(長谷部崇)






















