改装中の移住体験施設「旧西山邸」の中庭で料理を楽しむ移住者ら=丹波市春日町松森
改装中の移住体験施設「旧西山邸」の中庭で料理を楽しむ移住者ら=丹波市春日町松森

 兵庫県丹波市への移住支援や空き家活用などに取り組む一般社団法人「Be(ビー)」が、事務所にしている古民家「旧西山邸」(同市春日町松森)の母屋を改装し、新たに宿泊可能な移住体験施設の運営を開始する。大詰めを迎えているリノベーションの作業には、移住希望者らが参加。施設のオープン前から、移住者同士の交流の場に役立てている。(那谷享平)

 旧西山邸は、母屋のほかに別棟2棟、蔵、中庭からなる古民家。空き家だったのをBeが取得。2020年から改修をしながら、移住に関する交流イベントの会場にしたり、同法人が携わる市の移住相談窓口「丹波移住テラス」の拠点の一つとしたりしている。

 宿泊可能になるのは木造平屋の母屋。旅館業法上の簡易宿所営業で移住希望者らを受け入れ、丹波市での体験型イベントへの参加や家探しの拠点にしてもらう計画だ。9月1日にオープンする。

 老朽化していたため、ジャッキアップして土台から抜本的に改修。同市青垣地域の古民家活用などに取り組む1級建築士の出町慎さんが設計した。出町さんを講師に、DIY体験のイベントを複数回開き、移住後に自ら住宅改修を計画する人たちに床の解体や壁の塗り直し作業などに参加してもらった。

 6月下旬にあったイベントでしっくいやパテを壁に塗った自営業の男性(61)=川西市=は「丹波市にある建物を自分で改修し、二拠点生活をしようと思っている。ユーチューブなどで動画を見るのと、実際に塗るのは全然違った」と話した。

 Beの代表を務める中川ミミさん(42)は「DIY体験会での参加者同士の出会いを、丹波市での人生をより豊かにするきっかけにしてもらいたかった」と狙いを説明。宿泊施設のオープン後も「旧西山邸でさまざまなイベントを開き、移住希望者を支援したい」と話している。