屋根裏に見つけた巨大なハチの巣を指さす伴直子さん=丹波篠山市今田町木津
屋根裏に見つけた巨大なハチの巣を指さす伴直子さん=丹波篠山市今田町木津

 「自然が作り上げたものこそが美しい。われわれはそこから発見するだけだ」。天才建築家アントニ・ガウディの名言だが、丹波篠山市今田町木津でまさに今、自然の造った美に学び、それをアートにしようと試みる人がいる。古民家の屋根裏で見つけた多数のハチの巣。大きさ、ハチの種類ともさまざまで、管理する芸術家が「命の営みを見せたい」と、知人らの協力を得ながら作品化に向けて取り組んでいる。(秋山亮太)

 木津地区で古民家を改装した「画廊アートカフェ木津」を運営する日本画家の伴直子さん(71)=三田市。4年前の開業時から夏になると、2階天井にはちみつらしきものがしみ出ていた。ミツバチが出入りする様子もよく見られ、「巣を造っているんじゃないか」と気になっていたという。

 昨年秋、アートイベントの開催で知り合った陶芸家の坂野正幸さん(73)=丹波市山南町篠場=が、妻の公子さん(73)とともに「摂丹日本ミツバチの会」のメンバーでもあったことから、屋根裏の状況を見てほしいと依頼。今年7月下旬、坂野さん夫妻とその友人たちが確認し、巨大な巣をいくつも見つけた。