「くらしを考える犬」からのメッセージが書かれた看板=播磨町本荘、阿閇神社

 兵庫県播磨町の阿閇(あえ)神社に「ご主人さまへ」として、犬からのメッセージを書いた看板がある。「フンの後始末をお願いします」と懇願。「どうぞ死ぬまでそばで飼ってください」と悲しげに終わっている。

 同町産業環境課によると二十数年前、町は路上でのふんの放置対策に力を入れた。町内20カ所にふん専用のごみ箱を置いたり、巡回パトロール員がふんの処理袋を配ったり…。当初は一定の成果を上げていたが、持ち帰るのがマナーとの意見が主流となり、ごみ箱は5年で廃止に。同時期に設置された看板だけが残ったらしい。

 当時の職員がマナーの悪さに怒りでペンを震わせて、また、犬の立場にも心寄せて書いたと思われる看板。ふん害と動物愛護-。今にも通じる課題だけに、撤去を免れたのだろうか。(田中朋也)