昭和10年代中頃の高砂海水浴場の様子。自然な海岸線は徐々に消えていった(高砂市提供)
昭和10年代中頃の高砂海水浴場の様子。自然な海岸線は徐々に消えていった(高砂市提供)

 加古川、高砂市の海岸線にはかつて、白砂青松の美しい渚が広がり、潮干狩りや海水浴の場として親しまれてきた。

 母が海の家で手伝いをしていたという同市の70代の女性は「海水浴場は遠浅だったけど泳げた。小学校の下校時は母のいる海の家へ帰っていた」と懐かしむ。70代の男性は遠浅の海が物足りず、曽根の浜、通称「ナルトイカ」で泳いでいたと振り返る。深さは約5メートル。護岸に書かれていた「カイトルナ(貝採るな)」が由来だとか。