記者会見する石破首相=7日午後6時44分、首相官邸
 記者会見する石破首相=7日午後6時44分、首相官邸

 突然の退陣表明に、石破茂総裁を選んだ各地の自民党員の間に落胆やあきれ、安堵の声が交錯した。「腰を据えて党の再建に注力して」と、次期総裁に対する切実な訴えも聞かれた。

 「ニュースを見てがっかりした」。千葉県松戸市の建設会社社長野崎武男さん(77)は、少数与党下の国会を切り盛りできるのは石破首相以外にいないと強く感じていた。首相が代わっても厳しい国会運営は続くとみられ、野崎さんは「他に適任者がいない。本人はもっと頑張りたかったと思うが、党内の圧力に屈したのだろうか」と肩を落とした。

 札幌市の会社社長蓑輪雅宏さん(64)は、総裁選前倒しの是非が決まる前の決断を「党内がぐちゃぐちゃになるところだった」と歓迎した。

 昨年の総裁選から1年もたっていないのに、石破総裁を選んだ議員が石破降ろしに加担している現状に「へきえきしている」と吐露。周囲にも「自民党に未来はない」と辞めていった党員がいると明かした。10月までに行われるとみられる総裁選では「議員たちには、しっかり考えて選んでもらいたい」と強調した。