モスクワのクレムリンで文化関連の会合に出席するアブラモビッチ氏=5月(タス=共同)
 モスクワのクレムリンで文化関連の会合に出席するアブラモビッチ氏=5月(タス=共同)

 【モスクワ共同】英紙ガーディアンは7日、ロシアのプーチン大統領に近い富豪アブラモビッチ氏に対し、英領チャネル諸島ジャージー島当局が汚職とマネーロンダリング(資金洗浄)容疑で捜査していると報じた。スイスの裁判所文書で明らかになったとしている。

 同紙によると、アブラモビッチ氏は弁護士を通じて全ての容疑を否定し、犯罪関与の推測は誤りだと主張した。

 ジャージー島はアブラモビッチ氏が資金を西側に送るルートだったとされる。同島当局は、1990~2000年代のロシア資本主義の混沌期にアブラモビッチ氏が築いた財産の出所解明を目指し、05年にアブラモビッチ氏が石油大手シブネフチを約130億ドルで売却して得た資金に絡む資金洗浄容疑などを調べているという。

 当局は捜査のため、アブラモビッチ氏の関連企業がスイスで保有する銀行口座の文書提出を求め、スイスの裁判所が認めた。

 アブラモビッチ氏はかつてサッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーのオーナーだったが、22年のロシアのウクライナ侵攻を受けて同年にクラブを売却した。