宮城県警は9日、南三陸町で2023年に見つかり、身元不明遺体として収容していた下顎骨の一部が、東日本大震災で行方不明になっていた岩手県山田町の山根捺星さん=当時(6)=のものと判明したと発表した。家族は「諦めていたところに連絡をもらい、驚いたが大変うれしい気持ちです」とコメントした。県警が近く引き渡す。

 県警によると、山根さんは自宅で津波にのまれた。23年2月、砂浜や歩道を清掃していた建設会社従業員が下顎骨を見つけた。県警が母親と同じ型が遺伝するミトコンドリアDNA型鑑定や、東北大の協力を得て、歯に残されたタンパク質から性別を鑑定する「プロテオーム解析」と呼ばれる方法などで特定した。