青木政憲被告に死刑判決が言い渡された長野地裁の法廷=14日午後(代表撮影)
 青木政憲被告に死刑判決が言い渡された長野地裁の法廷=14日午後(代表撮影)

 長野県中野市で2023年、住民と警察官の計4人を殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた農業青木政憲被告(34)の裁判員裁判で、長野地裁(坂田正史裁判長)は14日、被告に完全責任能力があったと認定し「強固な殺意に基づき4人もの尊い命を奪い、残虐極まりない犯行だ」として求刑通り死刑判決を言い渡した。

 刑事責任能力が主な争点となる中、弁護側は、妄想の強い影響で善悪を判断して行動することが著しく困難な状況下での犯行だったとし「心神耗弱状態だった」と死刑回避を求めていた。

 起訴状によると、23年5月25日夕、近くに住む竹内靖子さん=当時(70)=と村上幸枝さん=同(66)=をナイフで刺して殺害。通報で駆け付けた中野署地域課の池内卓夫警部=同(61)、2階級特進=に猟銃を発射し、玉井良樹警視=同(46)、2階級特進=にも発射してナイフで刺し、殺害したとしている。