厚生労働省の専門部会は16日、事故などによる外傷性脳損傷の患者に細胞を移植して運動まひの改善を促す再生医療等製品「アクーゴ」の出荷制限を解除することを了承した。2024年7月に承認されたものの、品質に関する追加データを集め認められるまで出荷できない異例の条件が付き、開発企業「サンバイオ」が対応した。
アクーゴは健康な人の骨髄液から採取した細胞を加工したもの。けがをして半年以上が経過した、中程度から重度の慢性期患者が対象で、移植すると損傷した神経細胞の修復を促すとされる。承認は24年7月から7年間の期限付き。発売後も安全性や有効性の全例調査が必要となる。
24年6月の部会では、製品の品質が一定かどうか課題が残ると指摘され、異例の出荷制限をした上で承認を了承した。制限解除の条件として、市販用の製品が、臨床試験に使った細胞と同等なことを示すデータを提出するよう求めた。
サンバイオはその後、製品を3回製造。十分なデータが得られたとしている。