和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社近くの熊野川で16日、神事「御船祭」の早船競漕が行われた。上半身裸の若者らがこぐ9隻の木造船が水しぶきを上げて一斉にスタート。かいをこぐ音が水面に響き、観客から声援が上がった。
御船祭はご神体を乗せた神幸船が河原にある御旅所へ渡る神事。競漕は神幸船を案内する船が速さを競ったのが始まりとされる。早船は市内9地区の名を書いたのぼりを掲げ、大社の上流にある御船島を周回するコースで競った。
1位でゴールしたのは王子区の船。リーダー役で新宮市の会社員福山勇人さん(32)は「苦しい場面もあったが、みんなで力を合わせて勝てた」と喜んだ。