大規模な林野火災=2月、岩手県大船渡市
 大規模な林野火災=2月、岩手県大船渡市

 岩手県大船渡市で2月に起きた大規模な林野火災を受け、総務省消防庁は月内にも、飛び火対策指針の作成を全国の消防本部に求める。ドローンの活用や予防的に散水する体制を整え、早期の消火や林野火災の延焼防止につなげる。冬は落ち葉や枯れ草が増えて空気が乾燥し、火災発生の恐れも高まるため、年内の作成を要請する。

 指針には、熱源を探査できるドローンを使った情報収集体制の整備や、出火場所から離れたエリアにあらかじめ水をまく部隊の配備などを盛り込むよう促す。

 山間部は延焼が広がりやすく消火に使える水も限られる。「飛び火の特性に関する情報が足りない」との声もあることから、各地の消防本部に対するソフト面での支援を進める。過去の火災での飛び火事例を情報提供したり、ドローンの技術指導者を派遣したりといったことを想定している。

 消防庁によると、大船渡市の火災では、強風で火の粉が1キロを超えて飛び、延焼が広がったケースもあった。