衆院本会議で就任後初めての所信表明演説をする高市首相=24日午後
 衆院本会議で就任後初めての所信表明演説をする高市首相=24日午後

 高市早苗首相は所信表明演説で、政治改革に関し「政治への信頼を回復するための改革にも全力で取り組む」と強調した。一方、自民党と日本維新の会の連立合意に盛り込まれた衆院議員定数の削減や企業・団体献金の制度改革への具体的な言及はなかった。

 首相周辺は「定数削減と企業・団体献金の扱いは、いずれも最終的に議員立法の形を取るため、政府の立場での言及は控えた」と説明するが、自民内の異論などに配慮した可能性がある。

 自民、維新の連立合意では、議員定数削減関連法案の今国会提出と成立の目標を明記した。これに対し、自民の逢沢一郎選挙制度調査会長が「現行制度で定数削減となると、地方の定数がさらに少なくなる」と批判的な見解を示す。公明党の斉藤鉄夫代表も「2党だけで決めて良い問題ではない」などと指摘する。

 企業・団体献金改革については、自民と維新間で主張の隔たりが大きい事情がある。連立合意では「現時点で最終結論を得るまでに至っていない」として、協議体を設置して2027年9月までの任期中に結論を出すとの記述にとどめている。