ライフネット生命保険株式会社(東京都千代田区)は、このほど「ライフネット生命保険 がんとお金に関するアンケート調査2025」を実施しました。同調査によると、がん罹患により、「自身の収入が減った」と回答した人は半数以上となりました。また、「公的制度の利用だけでは治療費が足りない」と回答した人は約4割を占めることがわかりました。
調査は、がん経験者で、診断時に勤労していた719人を対象として、2025年7月~8月の期間にインターネットで実施されました。
調査の結果、がん罹患により「自身の収入が減った」と回答した人は53%で、がん罹患後の年収は「平均で20%減少」という結果になりました。
収入が減った理由としては、「休職による収入減少」(50%)が最も多く、次いで「業務量をセーブすることによる収入減少」(42%)、「離職による収入減少」(23%)が続きました。
また、「収入減少や治療費の負担で生活が苦しい」と感じた人のうち、46%が「治療開始から半年以内」に生活が苦しいと感じるようになったと回答。
「収入が減ったあとの生活費の工面」については、「貯蓄の切り崩し」(62%)、「本人や家族の生活費の節約」(52%)、「公的制度の利用」(44%)が上位に挙げられました。
そこで、がんの診断後に「経済面で困ったこと」を教えてもらったところ、「医療費」(57%)のほか、「本人や家族の生活費」(27%)、「税金や社会保険料などの支払い」(22%)といった回答も挙げられました。
続けて、「がん罹患後1年で増えた支出額」を聞いたところ、88%が「200万円未満」、そのうち64%が「100万円未満」でした。
他方、「がんの治療費以外でお金がかかったもの」としては、「入院時の日用雑貨」(64%)、「入院・通院時の交通費やタクシー代」(54%)、「外見ケア(アピアランスケア)」(44%)が上位に挙がり、「ウィッグなどのアピアランスケア、脱毛やしびれなどのために買った副作用低減グッズも費用がかさんだ」(30代正社員)、「社会保険料支払いが休職中の分にもかかり、想定外だった」(50代パート・アルバイト)といった声が寄せられました。
次に、「利用した公的制度」を尋ねたところ、「高額療養費制度」(74%)が最も多く、次いで「限度額適用認定証(※)」(56%)、「医療費控除(確定申告時)」(44%)が上位に。
しかし、「公的制度を利用しても治療費が足りなかった」という人が39%を占めました。
(※)限度額適用認定証とは
高額療養費制度を活用することで自己負担限度額を超えた場合に払い戻しを受けられますが、限度額適用認定証を医療機関等の窓口に提示することで支払額をはじめから自己負担限度額までに抑えられます。従来は事前に申請が必要でしたが、マイナンバーカードの健康保険証を利用することで、「限度額適用認定証」がなくても、限度額を超える支払いが免除されます(ご加入されている医療保険がデータを登録していない場合は、これまでと同じ扱いとなります)。
また、医療保険やがん保険など、疾病に備える保険に加入していた人のうち、20%が「給付金を受け取れなかった」と回答し、その理由として「通院治療の保障がなかった」(36%)や「上皮内新生物の保障がなかった」(23%)が挙げられました。
最後に、「がん罹患による就業状況の変化」を聞いたところ、「離職した」人は15%で、その理由として「治療との両立が難しかったから」(65%)が最多となったほか、「遠回しに離職を促す話をされた」(50代正社員)といった本人の意思とは異なり、退職を促されたケースも散見されました。
なお、「休職からフルタイム勤務に復帰できるまでの期間」については、50%が「半年以内」と回答した一方で、「1年以上」(14%)という人も一定数見られました。
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【出典】
▽ライフネット生命調べ/がん経験者に聞いた「がんとお金」の調査2025
























