ニワトコの花に来たケシキスイ=2025年4月、滋賀県多賀町(神戸大博士課程の河島鈴さん提供)
 ニワトコの花に来たケシキスイ=2025年4月、滋賀県多賀町(神戸大博士課程の河島鈴さん提供)

 白い小さな花を多数咲かせる低木のニワトコは、昆虫の幼虫が入り込んだ果実を熟す前に落とす。侵入者を早めに始末しているかと思いきや、実は落下までの間に幼虫が十分成長できていることが分かったと、神戸大のチームが12日までに発表した。成虫は花粉の運び手で、将来受粉を担う幼虫に成長する時間を与えているとみている。

 イチジクなど他の植物では、複数の卵が産み付けられた果実のみを落とし、種子を食べようと中に入り込んだ幼虫を死なせることが知られていた。侵入者に制裁を科すのではなく、成長の機会を与えて将来の共生関係につなげる仕組みが見つかったのは初めてという。

 チームは野外でニワトコを観察し、「ケシキスイ」という甲虫だけが咲いた花を訪れて花粉を運んでいるのを確認した。

 花に産み付けられた卵からかえった幼虫が入り込んだ果実では落下後も幼虫が生き続け、出てきて成虫になった。果実は内部の種子が食べられ、発芽能力を失っていた。

 神戸大の末次健司教授は、幼虫に食べられ傷ついた種子には栄養や水の投資を打ち切っているとしている。