尼崎JR脱線事故車両の保存施設(イメージ)
 尼崎JR脱線事故車両の保存施設(イメージ)

 JRや私鉄など全国の鉄道大手31事業者の安全統括管理者らが、大阪府吹田市に昨年完成した尼崎JR脱線事故の車両保存施設を今年2月に視察していたことが23日、国土交通省への取材で分かった。計8事業者が、研修で得られた教訓を安全対策に生かす方針を共同通信の取材に明らかにした。

 平成以降最悪の乗客106人の犠牲を出した事故から25日で21年。記憶の継承が課題となる中、新たに整備された施設を事故防止に活用する取り組みが広がっている。

 山形県の羽越線特急脱線事故と尼崎事故からいずれも20年が経過したことを受け、安全意識の向上につなげようと国交省鉄道局が企画。2月20日にJR各社と大手私鉄、公営地下鉄計31事業者で安全管理を統括する幹部らと国交省関係者計63人が訪れた。

 共同通信は31事業者に取材。18事業者が参加を認め、残る13は「他社施設である」「遺族に配慮する」などと回答を拒んだ。車両の実物や遺品に向き合ったある事業者の幹部は「事故の記憶が薄れぬよう、役割を果たしていきたい」とした。