国税庁は20日、非上場企業の株式相続を巡る有識者会議を開き、過度な節税の防止などを柱とする評価額の新たな算定ルール案を提示した。簿価上の純資産や過去数年分の収益を基準に算定する方式を採用し、非上場株の価値を適正に評価できるよう改める。2027年度税制改正大綱に反映させ、最短で28年1月の適用を目指す。算定方法の抜本見直しは、現行ルールを定めた1964年以来、初めて。

 相続の公平性確保につながる効果が期待できる一方、税負担が極端に増えると、収益力に乏しい零細企業の事業承継を妨げる懸念もある。新たなルールは、赤字や低収益の場合は評価額が下がり、支払う税額も抑えられる。国税庁の担当者は「小規模な事業者に配慮した形で制度設計を進める」と説明した。

 相続税の算定根拠となる評価額は、株や不動産を受け取った際の「時価」を原則とする。株の場合、上場企業は市場の取引価格を用いるが、非上場企業は困難だ。

 現行ルールは、似ている上場企業の株価を参考にするなど、複数の方式から選択できる。