オンライン取材に応じる児童精神科医の黒川駿哉さん=7月
 オンライン取材に応じる児童精神科医の黒川駿哉さん=7月

 兵庫県に住む40代の女性は、次男(11)が幼稚園児の頃、制服の着替えを面倒くさがる様子を不思議に思っていた。「不器用でボタンの掛け外しが難しいのかな」。小学校に入ってからは立っている時も座っている時も姿勢を保てない。走るのも極端に遅い。給食着にうまく着替えられず、同級生に蹴られることもあった。特に字を書くのが苦手で、漢字は読めてもなかなか書けない。何度練習してもテストで漢字を書けず、苦しむ次男の姿に胸を痛めた。