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 韓国の李在明(イジェミョン)大統領が就任して1年が過ぎた。6割超の高い支持率を維持している。

 政権の中間評価と位置付けられる統一地方選が3日にあり、全国16の広域自治体のうち12カ所の首長選で革新系与党「共に民主党」の候補が勝利した。首都ソウル市長選は保守系最大野党「国民の力」の現職候補に敗れたものの、接戦だった。

 全体として李大統領の政権運営が評価されたと言える。国民の力は、尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領による2024年12月の「非常戒厳」宣言の影響で支持率が低迷している上に、党内の内紛が響いた。

 理念より実益を重視する李氏の「実用主義」が、中道層や穏健保守層にも受け入れられているようだ。世界的な人工知能(AI)ブームを背景に、大手半導体メーカーが好景気をけん引しているのも高支持率の要因とみられる。

 実用主義は対日外交にも表れている。李氏はかつて日本に厳しい発言を繰り返し、尹氏の対日融和策を非難してきた。だが、昨年の大統領選挙では日本を「重要な協力パートナー」と位置付けた。高市早苗首相とこれまで対面で4回会談し、日韓の連携推進を確認し合った。

 日韓関係の改善と強化は望ましい。市民レベルの交流もさらに進めたい。安全保障の観点からも、民主主義や法の支配といった価値観を共有する両国が意思疎通に努める重要性は増している。

 米国のトランプ政権は同盟国を軽視し、経済的な実利を優先して時に中国に接近する姿勢を見せる。中東情勢の長引く混乱は、エネルギー輸入を中東に依存する日韓に深刻な打撃を与えている。

 日韓は共通の課題に協力して取り組むべきだ。核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応では日米韓の連携が欠かせない。米国に粘り強く働きかける必要がある。

 内政について、神戸大学大学院の木村幹教授(朝鮮半島地域研究)は「短期的には、空前の株高で過熱する経済への対応が課題となる。長期的には深刻な少子化にどう手を打つかが問われる」と指摘する。

 半導体メーカーを中心とした株式ブームに沸く半面、大企業と中小企業間の賃金格差や若者の就職難が問題になっている。成長の果実を行き渡らせる施策が求められる。

 女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す「合計特殊出生率」は、昨年0・80にとどまり、経済協力開発機構(OECD)の加盟国で唯一、1を下回った。日本も1・14とかなり低い。少子高齢化が進行する国同士、知見を共有しながら強力に対策を進めてほしい。