若い世代の献血者が減っている。「命をつなぐボランティア」としての献血に対する理解を広げ、協力者を増やす努力が求められる。
献血で集められた血液のうち輸血に使われるのは半分程度で、残りは医薬品の原料となり、重い感染症や血友病などの治療に使用される。厚生労働省は献血可能年齢を16~69歳と定め、体重や年間の上限献血回数などの基準を設けている。
日本赤十字社によると、近年の献血者数は年間500万人前後で、大きな変化はない。ただ、30代以下は2016年に195万人だったのが25年には156万人となり、20%減少した。兵庫県の減少幅は25%とさらに大きい。
血液は人工的に作れない上に、長期保存が難しい。今後、高齢化の進展などによる医療ニーズの高まりで、血液は需要増が見込まれる。将来の安定供給のためには、特に若い世代の理解が欠かせない。
若年層の献血が減っているのは、少子化によるところが大きい。加えて、献血バスが高校や大学に出向く「学内献血」も、学校カリキュラムの過密化などで減少傾向にある。若者が献血に触れる機会が少なくなっているのが現状だ。
10代や20代のうちに献血を経験した人の多くが、その後も定期的に献血する傾向があるとも報告される。国や自治体は学校や企業の協力を得て、「最初の一歩」を後押しする取り組みを進めてほしい。
入学時や入社時に献血を呼びかけたり、日赤の「献血セミナー」を開催したりすることも有効だろう。献血を避ける理由は「痛いから」が多いといい、不安を和らげる工夫も要る。幅広い年代が足を運びやすくなるよう、献血ルームの開設時間も柔軟に設定してもらいたい。
昨年、兵庫県や北海道、東京都の赤十字血液センターなどで、保管や管理の不備により献血で集めた血液が使えなくなるといった事例が相次いだ。品質の低下した血液が患者に使われた場合、健康被害を及ぼす恐れがあった。献血への信頼が損なわれかねない事態であり、見過ごせない。日赤は再発防止を徹底せねばならない。
























