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 第108回全国高校野球選手権大会が5日、西宮市の甲子園球場で開幕する。全国の地方大会を勝ち上がった49の代表校が優勝を争う。選手たちは、地元からの大きな声援を受けて、夢に見た舞台で伸び伸びとプレーしてもらいたい。

 兵庫代表の座は社がつかんだ。3年ぶり3度目の出場となる。兵庫大会決勝は、3年前と同じ明石商との公立勢決戦となった。社は1点を追う六回に同点とし、七回に勝ち越されても八回に2点本塁打で逆転、3-2で接戦を制した。明石商もあと一歩に迫る健闘を見せた。

 社は2人の投手を軸にした守り中心のチームだ。加えて打線にも切れ目がない。兵庫の166校149チームの頂点に立った誇りを胸に、まずは初戦での勝利を目指し、甲子園のスタンドを沸かせてほしい。

 他の地方からは、出場39度目の松商学園(長野)、32度目の仙台育英(宮城)、31度目の天理(奈良)などの常連校が姿を見せる一方、市立福山(広島)、東日本国際大昌平(福島)、八王子実践(西東京)、有明(熊本)が、春夏通じて初出場を決めた。今年もファンを魅了する熱戦やドラマが生まれるだろう。

 大会運営での最大の課題は、近年厳しさを増す暑さへの対応だ。

 夏の甲子園では、気温の高い時間帯の試合を避ける「朝夕2部制」を一昨年に導入した。今年は朝夕の開催をさらに増やし、計10日にする。夕方午後4時からの開会式開催も継続する。昨年は熱中症疑いの選手が前年の半数以下になったといい、試みは評価できる。

 観客の熱中症予防も欠かせない。アナウンスや場内表示で水分補給や休憩を呼びかけるが、救急搬送者は各校応援団が座るアルプス席からが最も多いという。2028年には大屋根「銀傘(ぎんさん)」がアルプス席に拡張される予定で、完成が待たれる。

 一方、日本高野連はイニング数の9回を短縮する「7回制」導入を議論している。高野連が設けた検討会議は昨年12月、夏の甲子園では「可及的速やかに」採用するのが望ましいとの報告書を出した。暑さ対策に限らず、けがの予防や指導者らの働き方改革にもつながるという。

 だが、7回制導入には「野球が変わりかねない」などの慎重論も根強い。加盟校のアンケートでは7割が反対した。関係者の納得が得られるよう丁寧な議論が求められる。

 専門家の中には、夏場の野外スポーツは限界に来ているとの指摘もある。抜本的な対策に取り組むなら、秋の開催やドーム球場の併用も視野に入れる必要がある。守るべきは何よりも選手の健康だ。そのための知恵を絞っていかねばならない。