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 熊本県で最大震度7を観測した地震の発生から、きょうで1週間になる。人的被害、建物の倒壊など被災状況は深刻さを増している。被災地は広い範囲で停電や断水が続き、エアコンの効かない過酷な環境下で避難生活を強いられている。被災者の命と健康、暮らしを守るための手厚い支援が欠かせない。

 地震による死者は増え続け、40人近くに上る。煙突が折れた日本製紙八代工場や、爆発が起きた大型商業施設「イオンモール熊本」では、いずれも複数人が犠牲になった。高速道路の寸断などで物流にも影響が生じており、水や食料、ガソリンなどの確保にも不安がある。

 熊本県内ではなお8千人超の市民が避難所などに身を寄せる。きのうは気温40度以上の酷暑日となるなど危険な暑さが続き、心身に及ぼす影響は重大だ。避難先で体調を崩すなどして亡くなる「災害関連死」のリスクが高まっている。残念なことに、避難のため車中泊をしていた70代女性が熱中症の疑いで死亡した。県は初の災害関連死の可能性があるとした。避難所では新型コロナウイルス感染症も発生し、まん延が心配だ。感染防止策の徹底が急がれる。

 体育館の冷たい床に雑魚寝、食事はパンが中心、汚れたトイレに長蛇の列-。避難所の劣悪な環境は、阪神・淡路大震災など幾多の災害を経ても一向に改善されていない。

 国は2024年12月に自治体向けの避難所運営指針を改定した。国際基準に沿った清潔なトイレ(T)、温かい食事をつくるキッチン(K)、ぐっすり眠れるベッド(B)の確保を盛り込んだ。とりわけ清潔なトイレの確保は水分の補給を控えずに済み、熱中症予防にもつながる。避難の質を高めるよう、熊本の被災地でもすぐに取りかかってほしい。一角に福祉避難スペースを設けるなど要支援者への配慮も求められる。

 政府は非常災害対策本部を設置し、要請を待たずに物資を送る「プッシュ型支援」を指示した。兵庫の自治体も給水車やトイレカーなどの派遣を進める。被災者が必要とする支援を着実に届けてもらいたい。

 二次災害を避けるには、高齢者らに住環境の整った場所に移ってもらう必要がある。熊本県は、宇土市などでホテルや旅館への2次避難の受け付けを始めた。移動を重ねて心身のストレスを高めないよう、賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」の活用を急ぐべきだ。兵庫県や神戸市は公営住宅の提供を決めた。避難生活の長期化も見据え、ボランティアなど民間の力も生かしたい。

 助かった命を守り抜くために、被災者の体調管理や安全確保にあらゆる手だてを尽くさねばならない。