通勤や通学、買い物などに欠かせない路線バスが危機に直面している。人口減少と超高齢化が進み、運転手不足や燃料費の高騰なども重なり、減便や路線廃止が全国で広がる。地域の大切な足をどう守っていくのか。1903年9月20日、京都市で日本初の営業バスが運行を始めてから120年余り。切迫した課題と向き合い、解決策を見いだしていかねばならない。
運転手不足は深刻だ。2024年4月から残業規制が強化され、日本バス協会の試算では30年度には約3万6千人が不足する。高齢化も急速に進む。
兵庫県内でも、路線縮小や事業者の経営悪化が表面化している。但馬地域を走る全但バスは昨年、大幅な減便や31年ぶりの運賃値上げを余儀なくされた。厳しい経営環境は都市部も同様で、阪急バスは昨年9月、阪神バスは今年9月に値上げに踏み切り、山陽バスも10月から改定する。運転手の処遇改善などのためとはいえ、利用者離れにつながる悩ましさがある。
乗客数がピーク時から半減し、赤字路線が全体の7割を超える神戸市バスは8月、須磨区を中心に大規模な路線再編を実施した。苦渋の経営判断ではあるが、不採算路線の統廃合など合理化ばかりが安易に進むことになっては本末転倒だ。利用者目線に立ったサービスの提供で公共交通の魅力を高め、利用の回復を図ることで経営を安定、強化させていく必要がある。
路線廃止や運行本数の減少でしわ寄せを受けるのは、マイカーなど代替手段のない高齢者や学生らだ。生活に欠かせない交通機関を維持するために、住民自身が「乗って支える」姿勢がこれまで以上に求められる。一方で、公共交通を利用しにくい「交通空白」地区の解消には行政の関与も欠かせない。
豊岡市と全但バスは昨年10月から、同市竹野地域で、住民がドライバーを務める予約型乗り合い交通「たけの~る」の運行を始めた。市が5~7人乗りのミニバンを全但バスに貸与し、地域住民が同社の嘱託職員として働く仕組みを導入した。
交通網の存続は各地の共通の課題だ。先行事例も参考に、持続可能な方策について官民で知恵を絞ってもらいたい。























