神戸市北区で無職の男性（８３）ら５人が殺傷された事件で、兵庫県警は１６日午後、有馬署に８０人態勢で捜査本部を設置し、兵庫県警の岩野一義・捜査１課長らが会見した。主なやり取りは以下の通り。

　－銃刀法違反容疑で逮捕された男と被害者５人との関係は。

　「男性と妻、負傷者の女性（５２）と男が同居。男性と妻は男の祖父母、女性は母親。その他の２人については確認中です」

　－５人の殺傷について関与を認めているか。

　「男は『自宅にあった包丁で誰でもいいから攻撃しよう、刺してやろうと思い、持っていたことに間違いない』と答えている」

　－殺人容疑については。

　「取り調べを含めて聴取中。犯人性が高まり、容疑が固まれば殺人容疑で令状請求をする予定」

　－「殺人等事件」での捜査本部設置だが。

　「男性の遺体はあおむけの状態で発見され、頸部（けいぶ）と胸付近に数カ所の刺し傷が認められる。妻は検視が始まったばかりだが、背中付近を中心に数カ所刺し傷が認められる。（亡くなった）女性（７９）は首付近に刺し傷があるが、詳細はまだ分からない」

　－金属バットを持っていたようだが。

　「母親にはバットが使われたと推測されます」

　－母親とけがをした女性（６５）の負傷状況は。

　「母親は全身打撲という状況。部位は不明だが、骨折の疑いという情報もある。これから事情を聞けば、詳細ははっきりすると思う。（負傷した）女性とは全く接触できていない。部位は不明だが刺し傷があるとのこと」

　－男の服装は。

　「確認していない。血液のようなものが付着しているという情報はあるが、詳細は捜査してから」

　－刃物には。

　「刃物やバットには血痕のようなものがあり、鑑定で明らかにしていく」

　－５人が被害に遭った順番は？

　「不明」

　－母親は「息子にやられた」と話したようだが。

　「警察官にそう話した。自宅で被害に遭ったと話しているが、屋内か屋外かは今後聴いていく。敷地内と話している」

　－負傷した女性（６５）は自宅で被害に遭ったのか。

　「自宅の敷地内に痕跡らしいものはあるが、特定はできていない」

　－男と被害者５人とのトラブルは。

　「現在のところ相談は把握していない。相談歴も確認されていない」

　－男にアルコールなどの影響はあるのか。

　「今のところはなし。薬やドラッグの影響については今後の捜査項目になる」

　－当時の通報は。

　「男性から。１１０番で『誰か来てくれ』という電話。以降、近隣住民から複数の１１０番があった。『助けてという声を聞いた』『バットを持っている』『血のついた男が通り過ぎた』という内容」

　－発見時の状況は。

　「男性は玄関から出た敷地内であおむけの状態で発見。妻は１階の自室でうつぶせの状態。亡くなった女性は敷地内の車庫で体の右側を下にして倒れていた」

　－目撃者は。

　「確認中。１１０番の通報者にも話を聞いて、犯行状況を明らかにしていく」

　－司法解剖の予定は。

　「１７日以降に実施」

　－男はなぜ神社に行ったのか。

　「供述は取れていない」