神戸市北区で７月、男女５人が殺傷された事件で、兵庫県警有馬署捜査本部は７日、祖父に対する殺人容疑で逮捕した無職の男（２６）を、祖母への殺人容疑と母親への殺人未遂容疑で再逮捕した。

　再逮捕容疑は７月１６日午前５時半～６時半ごろ、同市北区の自宅で、祖母（８３）を金属バットで殴った上、包丁で突き刺すなどして殺害。また、同６時１５～２０分ごろ、母親（５２）をバットや木の板で殴り殺害しようとした疑い。母親は頭や顔に２週間のけがを負った。同本部の調べに「そういう事実はあります」と容疑を認めているという。

　捜査関係者によると、母親は午前５時半ごろ、男と自宅内で言葉を交わしたが異変はなかったという。亡くなった祖父＝当時（８３）＝と祖母はその後に襲われたと同本部はみている。物音に気付いた母親は、男がバットで祖父に殴りかかるのを止めに入った際に殴られた、との証言をしている。

　男は事件直後、近くの神社で包丁を持っていたとして現行犯逮捕され、同本部が翌１７日、祖父への殺人容疑で再逮捕していた。同本部は現場検証や母親の証言などを基に自宅内での容疑を裏付けた。

　同本部は男が同居の３人を殺傷した後、集落内で見掛けた女性２人を相次いで襲ったとみて調べる。男は５人殺傷に関与したことを認めているという。

　神戸地検は７日、祖父に対する殺人容疑について処分保留とした。