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神戸・北区5人殺傷事件

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神戸地裁=神戸市中央区橘通2
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 神戸市北区で2017年7月、祖父母ら男女5人を殺傷したとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた被告の男(30)に対する裁判員裁判の第7回公判が25日、神戸地裁(飯島健太郎裁判長)であった。検察側は3人が死亡し、「完全責任能力があれば死刑を選択すべきだが、心神耗弱だったため減軽しなければならない」として無期懲役を求刑。弁護側は事件当時は心神喪失状態だったとして無罪を求めた。

 被告は最終意見陳述で「被害者の方に非常に申し訳ないことをした。機会をいただけるなら謝罪したい」と語った。求刑に先立ち意見陳述した遺族2人が極刑を求めた。

 飯島裁判長は、善悪を判断し、行動を制御する刑事責任能力の有無を最大の争点と示し、検察、弁護側とも被告が事件当時、統合失調症の影響下にあったことは認識が一致していた。刑法は、同能力を一部欠く心神耗弱は刑を減軽し、完全に欠く心神喪失は罰しないとしている。

 被告は、自分と幻聴の声の女性以外は「人間ではない」との妄想を抱いていたとされ、検察側は25日の論告で「妄想の内容を疑い、犯行をためらう気持ちがあった」と強調。正常な思考や本来の性格も行動に影響し、刑事責任能力は残っていたと主張した。

 一方、弁護側は「人を人ではないものと確信していた」などと主張。「症状の圧倒的な影響を受け、心神喪失は明らか」と述べた。また、検察側の主張に沿う2度目の被告の精神鑑定は「信用性が低い」とした。

 起訴状によると、被告は17年7月16日早朝、神戸市北区の自宅や周辺で、祖父=当時(83)、祖母=同(83)、近くに住む女性=同(79)=を包丁で刺すなどして殺害。母親(57)や近くの女性(69)にもけがを負わせたとされる。

2021/10/25
 

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