通常サイズは小学生には量が多いことも(画像提供:お好み焼ゆかり)
通常サイズは小学生には量が多いことも(画像提供:お好み焼ゆかり)

大阪で小麦粉を使ったソウルフードの双璧をなす「お好み焼き」と「たこ焼き」。これを小学生にお気軽に食べてもらおうと、「おこたこ子供カード」を配布し、対象のお店で提示すればお好み焼orたこ焼きとドリンクの特別セットを、ワンコイン(500円)で食べられる取り組みが8月31日まで行われている。

実施しているのは、大阪の“粉もん”企業10社が加盟する「上方お好み焼たこ焼協同組合(おこたこ組合)」で、子供たちにもっと粉もんのおいしさを知ってほしいという願いが込められている。おこたこ組合理事長で、お好み焼「ゆかり」の社長でもある山下真明氏に趣旨を聞いた。

■大阪のソウルフードに馴染んでほしい

小学生限定メニューを500円で食べられる「おこたこ子供カード」。ただし1日1回までの制限がある。

取り組みを始めたきっかけは、近年、子供の「粉もん離れ」が心配されたからだ。

山下さんのお店にも小学生を連れた家族の来店は珍しくないが、子供の数は減少傾向だという。また、通常サイズのお好み焼きは小学生には量が多いため、初めからお好み焼きをオーダーせず焼そばを選択することもある。そうすると、せっかくお好み焼きのお店に来ているのに、その味を知らずに帰ることになってしまう。

しかし、家族連れで来てくれているうちは、まだ望みはある。原材料費が高騰すると価格に転嫁せざるを得ないため、外食を控える家族が増えるかもしれないという心配もあるのだ。

「そうなると、子供たちが離れてしまうんじゃないかという懸念がありました。まずは食べていただいたら、美味しいと認識していただけますね。やっぱり子供の頃に美味しいと認識していただくと、大人になってもその認識は続きます。その子が大人になって子供ができたら、またお店に来てほしい」

たこ焼きは、子供のお小遣いでおやつとして食べられていた時代があった。あの気軽さで、粉もんを食べてほしいという願いから始まっている。一方お好み焼きは、店舗で腰を落ち着けて食べるのが基本スタイルなので、子供だけでは店に入りづらいという背景もある。そうなると、ますます子供の粉もん離れが心配なのだという。

おこたこ組合の加盟店には、「お好み焼き屋さん」と「たこ焼き屋さん」がいる。「おこたこ子供カード」で食べられるメニューは、お好み焼きチームが「豚玉の小サイズとソフトドリンク」、たこ焼きチームは「たこ焼き1皿とソフトドリンク」という組み合わせを提供。ちなみに、たこ焼きの個数は加盟店ごとに異なるといい、基本的には6個入りだとか。いずれも500円で、半額より安い値段設定になっている。親世代からの評判も良いという。

おこたこ子供カードは全部で5000枚用意されており、子ども食堂やおこたこ組合加盟店のスタッフを通じて小学校や児童施設などに配布されている。カードを希望する人は、文末のおこたこ組合事務局まで問い合わせてほしいとのこと。

今後に関しては、キャンペーン終了後に加盟各社からヒアリングを行い、お客さんの反応を確認してから検討するという。お客さんの反応が良ければ、年末年始に第2弾を行うことも考えているそうだ。

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【対象店舗(順不同)】

・お好み焼き店舗

お好み焼ゆかり(大阪直営6店舗)、大阪ぼてぢゅう本店、千房千日前本店、ねぎ焼やまもと梅田エスト店、鶴橋風月なんば千日前店

・たこ焼き店舗

くくる道頓堀本店、会津屋本店、甲賀流アメリカ村本店、赤鬼本店、たこ八道頓堀総本店

▽おこたこ子供カードに関するHP

https://okotako.com/kodomocard.html

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)