「また遺棄されていました。こんなことが、繰り返されるなんて…」
保護猫施設「ゆきレオ保育園」(大阪府河内長野市)で、7月中旬、新たに14匹の子猫が遺棄されていたことが分かりました。実はこの施設では、5月にも6匹の子猫が遺棄されたばかりです。
今回の遺棄は、猫と暮らせる家の施工などを手掛けている「ねこ大家」さん(@neko_fudosan)が、サポートしている「ゆきレオ保育園」の代表から聞いた情報をもとにX(旧Twitter)で発信しています。
同施設代表の悲痛な思いを取材しました。
■5月に6匹、7月に14匹…遺棄の実態
最初に6匹の子猫が見つかったのは、代表が昼食のため1時間ほど外出していた際のことでした。
「戻ってみると、ゆきレオ保育園の敷地内にダンボール箱が置かれていて、中に6匹の子猫がいました」
その後、全員が正式譲渡され新しい家族のもとへ旅立ちました。しかし安堵も束の間、約2カ月後の早朝、再び14匹の子猫が遺棄されているのが発見されました。
「朝6時頃、家(保護猫施設)の外に出ると、またダンボールが。14匹も入っていて言葉を失いました」
施設には防犯カメラが設置されていますが、カメラの増設やセンサーライトの導入を検討中です。
■酷暑の中、ぎゅうぎゅう詰めの子猫たち
遺棄された子猫たちは、猛暑のなか密閉されたダンボールに押し込められ、体温が上昇して衰弱していたといいます。
「命に関わる疾患はなかったものの、非常に危険な状態でした」
現在は他の猫とは隔離され、空き部屋にケージを置いて保護中。里親募集もスタートしましたが、施設の収容上限は約20匹。これ以上の受け入れには限界があります。
■「命を黙って置いていかないで」施設代表の訴え
代表は遺棄に対し、強い言葉で警鐘を鳴らします。
「どんな事情があっても、命を黙って置いていくのは卑怯です。飼えなくなったら一人で抱え込まず、誰かに相談してほしい。それが飼い主として最後にできる責任です」
今後はSNSやホームページを通じて、「困ったときに相談できる場所がある」というメッセージを積極的に発信していく方針です。
■動物の遺棄は犯罪、行政や地域の協力も必要
動物愛護法では、「愛護動物を遺棄した者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される」と定められており、遺棄は犯罪行為です。
「ゆきレオ保育園」では、今年5月に6匹、7月に14匹の子猫が遺棄されました。前回と似た筆跡で「糖尿のためお世話できません」とのメッセージも残されていました。
施設には既に多くの猫がおり、対応は厳しい状況。現在も去勢手術の準備やミルクの世話に追われながら、里親探しを続けています。
「かわいいからそばに置いておいただけで、気づいたら増えてしまった」という安易な考えは、命の重みを知らない無責任な行為だと警鐘を鳴らしています。
遺棄された方には、申し出と建設的なお話し合いを求めています。心当たりのある方は、施設へ「Instagram(@poniyan89)」で連絡をお願いいたします。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)