2010年4月1日、Xユーザー・お母ちゃん こてつ ぜんさん(@hmm139)一家に、思いがけない出会いが訪れました。夫が帰宅途中、公園でひと休みしていると、どこからともなく小さな子猫が肩に飛び乗ってきたのです。
生後2~3カ月ほどに見えるその子猫は肩から離れようとせず、周囲を探しても親猫の姿はありません。夜の公園に独りで残すわけにはいかず、夫は子猫を肩に乗せたまま、そっと家へ連れて帰りました。
こうして家族に迎えられたのが、白黒ハチワレの男の子「こてつ」くんです。実はこの出会いの2年前、飼い主さん一家は先住猫を虹の橋へ見送ったばかり。その後、猫のいない生活を送っていましたが、こてつくんとの出会いが新たな日々を運んできました。
「こてつが家にやって来たのは、夜も遅い時間でした。当時、小学校低学年だった息子は、2階の寝室で眠っていたんです。翌朝、こてつが寝ている息子の顔をペロッと舐めたようでーー息子は目を覚ますと、もういないはずの猫がいることにびっくり。『猫がおるーーー!』と叫び、泣きながら2階からおりてきました」
当時を振り返り、飼い主さんは「やはり我が家は猫とご縁があるんだな」と語っています。
■穏やかな性格で家族に寄り添ってきた日々
こてつくんは、子猫のころから驚くほど穏やかで人懐っこい性格でした。
「やんちゃだった記憶は全くありません。『てっちゃん、ご飯食べる?』『眠たいん?』『帰って来たよ』と話しかけると、必ず『ニャーン』と返事をしてくれます。人間の言葉を理解しているように思えるくらいです」
迎えてからの日々は、家族にとって大きな困難もなく穏やかに流れていきました。あれから15年。こてつくんはすっかりシニア猫となり、落ち着いた時間を過ごしていましたが、その日常はやがて新しい子猫との出会いによって変わっていきます。
■新しい家族、ぜんくんとの出会い
こてつくんの新たな一面を知ることになったのは、2024年5月。生後2カ月のキジトラの男の子「ぜん」くんを迎えたときでした。
「こてつはずっとひとりで暮らしてきたので、ぜんと初めて会ったときに『シャー!』と威嚇したんです。驚いたのと同時に、『やっぱり、こてつも猫なんだな』と思いました」
なかなか受け入れられず、距離を置く時期もありましたが、1年が経ち少しずつ変化が見えてきました。
「いまも微妙な距離感はありますが、以前よりは慣れてきたと思います。ぜんがこてつにちょっかいをかけると『シャー!』と怒るのですが、同時に『またか、このチビ、しゃーないなあ』とあきれたような表情を見せるんです(笑)」
こてつくんの中で、ぜんくんはまだやんちゃな“後輩”。そんな関わりが家の中をさらににぎやかにしています。
■15歳を迎えたこてつくんーー家族と築いた信頼の絆
公園で肩に飛び乗ってきた小さな命が、いまや人間年齢では76歳を迎えるほど長生きし、家族とともに幸せな日々を過ごしています。ぜんくんが加わったことで、家の中には新しいにぎわいも生まれました。
これからも、こてつくんとぜんくんが織りなす日常は、家族にとって笑顔と温かさに満ちた時間となっていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)