新入社員の2人に1人以上が「成果主義よりも年功序列」を望む ※画像はイメージです(metamorworks/stock.adobe.com)
新入社員の2人に1人以上が「成果主義よりも年功序列」を望む ※画像はイメージです(metamorworks/stock.adobe.com)

新入社員の2人に1人以上が「成果主義よりも年功序列」を望む--そんな調査結果が、産業能率大学総合研究所(東京都世田谷区)による「第36回 2025年度新入社員の会社生活調査」でわかりました。イマドキの新卒社員が働く上で最も魅力的だと思うのはどのような環境なのでしょうか。

調査は、本年度入社の新入社員369人を対象として、2025年3月~4月の期間にインターネットで実施されました。

その結果、「年功序列を望む(望む14.6%、どちらかといえば望む41.7%)という回答が56.3%となり、「成果主義を望む(望む6.5%、どちらかといえば望む37.1%)」と答えた回答を上回り、半数を超えました。

「年功序列」を望む新入社員の割合は、2022年度の38.9%から徐々に上昇しており、2024年度には48.5%で過去最高となりましたが、2025年度はさらにこの割合が高まり、記録を更新しました。

また、「終身雇用」を望む割合は69.4%、「同じ会社に長く勤めたい」とする回答も51.8%といずれも増加傾向にあり、“安定志向”の強さがうかがえます。

続けて、「働く上で、最も魅力的だと思う環境」を尋ねたところ、「仕事はそこそこ大変だが、成長を実感できる環境」が58.8%と、「仕事はそこそこ楽で、成長の機会も少しはある環境」の30.6%を約28ポイント上回り、単に安定した環境を望むのではなく、ほどよいチャレンジを通じて着実に成長できる環境を求めていることがうかがえました。

また、「働く上で、上司や先輩に期待すること」としては、「実践前にやり方や手順など細かく教えてくれること」(66.7%)が最多となり、2024年度から4.4ポイント増加。

次いで「誰に対しても平等に接してくれること」(52.0%)、「良い仕事ぶりに対して褒めてくれること」(49.9%)、「率直かつ建設的なフィードバックを提供してくれること」(48.0%)が続きました。

これらの調査結果を踏まえて同研究所は、「ワークライフバランスを重視する価値観が広まる中で、競争よりも安定した環境で着実に経験を積みながら働き続けたいという意識が、新入社員の間で高まりを見せています」とコメントしています。