キャッシュレス決済が浸透するなかで、シニア世代はどの決済手段をメインとしているのでしょうか。株式会社ハルメクホールディングス(東京都新宿区)が運営する『ハルメク 生きかた上手研究所』が実施した「お金に関する意識・実態調査」によると、「クレジットカード」が「現金」を大きく上回り、シニア世代の女性にもキャッシュレス化が定着していることがわかりました。
調査は、全国の55~79歳の同社モニターの女性510人を対象として、2025年6月にインターネットで実施されました。
はじめに、「お金の使い方の満足度」について調べたところ、「満足」と答えた割合は24年に比べ9.3ポイント低下し48.2%となりました。世代別では特に60~64歳(44.7%、24年比14.9ポイント減)と70~74歳(44.2%、同20.3ポイント減)で大きく低下しています。
また、「これから節約・削減したい費目」としては、「衣類・アクセサリー」(51.4%、同9.1ポイント減)のほか「お菓子・お酒などの嗜好品」(30.3%、同6.6ポイント減)、「食料品」(13.7%、同5.5ポイント減)も低下した一方で、「特にない」(16.7%、同6.6ポイント増)が増加しました。
次に、「現在の年金制度への満足度」について、「満足」と答えた割合を見ると、年金受給中の人が32.8%だったのに対して、受給前の人では15.6%と約2倍の開きが見られました。
回答者からは「若い時には、老後年金だけでは食べていけないのではないかと思っていた。現在年金だけで十分食べていけるし、3割ほど貯金もできている。その分決めた金額以上は使わないように気を付けている」(77歳)といった声が寄せられています。
「普段お店で支払う際のメインの決済手段」についても聞いたところ、「クレジットカード」(46.4%)が「現金」(27.9%)を大きく上回りました。
そこで、「普段意識して貯めているポイント」を尋ねたところ、「楽天ポイント」(44.5%)が唯一4割超えで最多となり、「ポイントは貯めていない」(7.1%)と答えた人は1割未満にとどまりました。
また、「ポイントを貯めるためにしていること」としては、「現金ではなくクレジットカードなどで支払う」(54.8%)が半数を超えたほか、「できるだけ同じ店で買い物する」(48.8%)、「ポイントが多く貯まる日・期間に買い物する」(46.1%)などが上位に挙がりました。
最後に、「お金の守り方・増やし方」について調べたところ、「お金の守り方・増やし方に満足している」と答えた人は32.7%と24年比で5.1ポイント低下し、特に70代以上の低下が大きくなりました。
なお、「投資をしている」と答えた人は59.7%で、「運用・保有している商品」としては、「NISA」(46.4%、同10.8ポイント増)が最多となった一方で、「国内株式」(46.0%、同4.7ポイント減)や「投資信託」(29.2%、同5.5ポイント減)は低下する結果となりました。
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【出典】
▽ハルメク 生きかた上手研究所調べ