くせが強く縮れ毛になってしまった金髪女性が、縮毛矯正を得意とする美容師の施術でツヤのあるストレートヘアに生まれ変わりました。施術を行ったのは原宿の美容室『Kon.原宿』代表・甲斐つよしさん(@kon__kai)で、「縮毛矯正で人生変えます」と添えてビフォーアフターの様子をTikTokに投稿したところ、47.9万の「いいね」が寄せられるなど話題になっています。
今回の依頼は、女性からのDMがきっかけでした。女性はブリーチを2回しており、通っていた美容室では「絶対無理、諦めて」と断られたといいます。お団子にまとめていなければ髪が広がってしまい、「こんなに広がるならブリーチなんてしなければよかった…」と悩んでいました。
初来店時、甲斐さんはカラーのムラを確認し、「セルフカラーをしているのかな、難しそうだな」と感じ、「間違いなく過去一の難しい施術になる」と判断したといいます。
そもそも、なぜブリーチ毛の縮毛矯正は難しいのでしょうか。甲斐さんは「バージン毛(カラーもパーマも何もしていない髪のこと)>パーマを施した毛>カラーを施した毛>ブリーチを施した毛…の順番でダメージは強くなっていきます。縮毛矯正は、薬を一度浸透させる際に髪の毛の中の結合を一時的に切るので、その際ダメージのある毛は耐えられずに千切れてしまいます。よって、理論的にブリーチ毛の縮毛矯正はほぼ不可能なんです」と説明します。
しかし甲斐さんは施術に踏み切り、女性の髪は見違えるようにまっすぐに伸びました。
鏡を見たお客さんは「早くみんなに見せたい!」「私の髪の毛じゃないみたい」と声を上げ、とても嬉しそうだったといいます。また、この様子を収めたTikTok投稿には「なんか涙出てきた…」「これは凄すぎます!!!」など、感動のコメントが多数寄せられました。
甲斐さんが縮毛矯正にこだわる背景には、くせ毛が原因で不登校だった女の子のエピソードがあります。
「くせ毛がひどくて、それが原因でいじめられて不登校になった女の子がいたんです。でも縮毛矯正をしたことで学校に行けるようになり、初めての彼氏もできて、最近はご結婚もされたんです。施術をきっかけに、その子の表情が徐々に明るくなり、性格も前向きになって『甲斐さんに人生を変えてもらいました』と言ってくれました。僕のようなイチ美容師でも、『人の人生を変えられるんだな』と本当にやりがいを感じました」
甲斐さんは同じようにくせ毛で悩んでいる人にアドバイスを送ります。
「もちろん、くせ毛が悪いわけではなく、生かすことでかわいいスタイルをつくることも可能です。しかし、お客様の気持ちの問題などもあるので、一人ひとりのお悩みに真摯に向き合い、恐れ多いですが少しでも人生を変えられればと思います。どんな髪でも『絶対に無理』ということはないので、ぜひご相談だけでも乗らせていただきたい。諦めないでほしいです」