門限を破った反抗期の娘へ、母が用意したのは“まさかのお弁当”でした。お弁当箱は、なんと幼児が砂遊びの時に使うクルマのおもちゃ。元料理人の母・鬼瓦オタカさん(@onigawara.otaka)がTikTokに投稿した、このユーモアと愛情たっぷりの“仕返し弁当”が300万回以上再生され、「天才すぎる」「こんなお母さん最高!」と大きな話題を呼んでいます。
なぜ、ここまでユニークなお弁当を作るようになったのか。その原点を伺うと、母としての深い愛情が見えてきました。
「元々アトピーだった娘が保育園でお弁当を持って行くと、給食の友達からからかわれたことがありました。それがきっかけで、みんなが羨むようなキャラ弁を作るようになり、いつの間にか私の“想い”まで乗るお弁当に変わっていったんです(笑)」
娘を想うその気持ちは、娘が反抗期を迎えても変わりません。門限を破った娘をただ叱るのではなく、「こっ恥ずかしいお弁当」で“仕返し”をするというユニークな愛情表現に行き着いたのです。
砂遊び用のおもちゃを見つけた瞬間、手招きされたかのように吸い込まれたそうです。
「たぶんこれが運命的なビビビ!ってやつかと?」
その発想を形にするにあたって、衛生面には気を配ったそうです。おもちゃの本来の用途ではない使い方になるため、使用前にアルコール除菌、熱湯消毒、さらにハイターでの除菌も行い、色落ちしないかなどを確認してから中身を詰めたとのこと。
娘さんの反応は、「なんじゃこりゃ」という笑いと驚きが混じるものだったそうです。動画にはそのリアクションは完全には収められていませんが、母の演出に思わずうなだれつつも、「またか」というような表情が印象的です。
お弁当で想いを形にし始めたのは、中学に入ってから。メッセージ入りの弁当から始まりました。
「おふざけ弁当の1番のきっかけは、ソファで寝落ちした娘の写真を印刷して布団に寝かすように弁当に飾ったことからです」
さらに、弁当箱を洗い忘れた娘にはジップロックで対応するなど、ちょっとした仕返しも交えながら、お弁当が“おかん流の表現手段”へと進化していったそうです。
おふざけ弁当は今回だけではなく、これまでにもさまざまなアイデアが生まれています。過去作には「炊飯器弁当」「去年ハロウィンの目玉弁当」「土鍋弁当」「キャンディレイ弁当」などがあり、どれも娘さんや見る人に強い印象を残してきました。
持たせたお弁当は、全て学校でちゃんと完食しており、友達や先生の注目を集める日もあるとのこと。また中身についてもできる限り手作りで身体に優しいものを選ぶなど、鬼瓦さんのこだわりが見えます。
「お弁当作りは娘が与えてくれた特権。作らせてもらえる期間は長くない、今しかないと思っています。私自身も楽しめて、娘が友達と笑える時間になったらと、毎日考えながら作っています」