富士フィルム正規品はこんな感じだけど…※写真はイメージですDAndreev
富士フィルム正規品はこんな感じだけど…※写真はイメージですDAndreev

フリーマーケットアプリ「メルカリ」でカメラ用フィルムを購入し、撮影後に現像しようとしたら偽装が発覚した-。SNSに投稿されたトラブルが注目を集めている。富士フィルム35ミリフィルム「FUJICOLOR 200」の使用済み入れ物に、映画用フィルムが詰め替えられていたというもの。現像を依頼された写真家は「大切な思い出写真が粗悪なフィルムで台無しになる可能性もあります。信頼できる店で購入して」と警鐘を鳴らす。

■使用済み入れ物に映画用フィルムを詰め替え

投稿したのは、X名・ちむに~さん(@ChimneySwe_eper)。偽装フィルムの購入者から現像を依頼された。購入者によると、偽フィルムはメルカリで1本1000円程度で売られており、3本を購入。商品説明欄には、詰め替え品の記載はなかったという。

2本分を撮影後、購入者が写真店に行くと、「正規品ではなく、映画用フィルムが入っているので現像できません」と断られた。購入者がメルカリ出品者に問い詰めたところ、「知り合いから貰った物」「Vision3だと思う」などと説明し、商品ページを削除して連絡が取れなくなったという。困り果てた購入者は、写真家のちむに~さんに経緯を説明して、現像を依頼した。

ちむに~さんがフィルムを確認すると、詰め替えられていた中身は「Kodakの映画用フィルム、Vision3 250Dと50D」で、先はテープで留められていた。通常の写真用フィルムは焦げ茶色をしているが、今回のフィルムは表面に艶がなく、真っ黒。フィルム送りに使う穴の形状も違っていた。

■偽装品販売で利益は出る?

写真用のカラーネガと映画用フィルムは現像手法も異なり、機械に別のフィルムを入れると機械が破損する恐れもあるという。今回、現像結果は良好だったものの、「そもそも偽物を販売するのは犯罪行為です。暗所で詰め替えを行わなかったり、明るい場所でフィルムが引き出されていたりすると、撮影後に現像しても画が出ません。箱から出されたフィルムは注意が必要です」と説明する。

ところで、偽装品を販売することで利益は出るのだろうか? FUJIFILM 200は日本国内で正式に販売されていないが、Amazonなどで購入可能で、3本で4400円ほど。一方、Vision3は単位売り。「切り出せば単価は安くできますが、差は微々たるものです。今回は個人出品だったので、貰い物を偽物だと分かっていながらそれなりの値段で売りたかったのでは…?」と推測した。

メルカリの規約によると、「偽造品の出品」や「商品説明・画像と異なる商品」の発送行為は禁止行為に該当するといい、「全額補償サポートプログラム」によって、偽造品や説明と異なる商品の購入被害は補償の対象となる場合があるという。

(まいどなニュース・山脇 未菜美)