普段は威嚇して近づかない野良猫が、その日はめぐりさんに「助けて」と言わんばかりに話しかけてきた(湯楽めぐりさん提供、Xよりキャプチャ撮影)
普段は威嚇して近づかない野良猫が、その日はめぐりさんに「助けて」と言わんばかりに話しかけてきた(湯楽めぐりさん提供、Xよりキャプチャ撮影)

「遠くから猫に話しかけられてついて行ったら、仔猫が壁に挟まっていた」-そんな衝撃的な体験をX(旧Twitter)に投稿したのは、温泉・銭湯を愛するVTuber「湯楽めぐり」(@yurameguri)さんです。

偶然の出会いと人々の迅速な行動が重なり、小さな命が救われた出来事は大きな反響を呼びました。

■声をかけてきたのは、いつも人を避けていた猫だった

普段はシャーシャーと威嚇して近づかない野良猫が、その日はめぐりさんに「助けて」と言わんばかりに話しかけてきたといいます。「その時点で『何かあったのかな?』と直感しました」と振り返ります。案内されるように歩いていくと、廃屋の壁の奥から子猫の必死な鳴き声が。

■ヒーローのように現れた大家さん

すぐに周囲を探したところ、偶然廃屋の大家さんを発見。事情を話すと、迷いなく「穴を空けよう」とのこぎりを片手に登場。「ヒーローのようでした」とめぐりさんは話します。壁に穴を開けると、中から転がるように現れたのは、体重わずか150グラムの子猫。命に別状はなく、その後病院で診てもらうことができました。

■母猫は戻らず、保護へ

救出後、母猫が迎えに来るよう段ボール箱にタオルを敷いて待ちましたが、夜になっても現れず。衰弱の危険もあるため、一時的に猫飼育経験者の友人が預かることになりました。

病院の診断では「生後2週間ほど」とのこと。哺乳やケアが必要な時期ですが、すでにミルクを飲み、体重も188グラムまで増えているといいます。

■猫に導かれるように“再びバズり”

めぐりさんは過去にも猫の投稿で話題になった経験があり、「今度は猫の手を借りずにバズりたいと思ったのに…また猫に助けられてしまいました」と苦笑します。「今度こそはVTuberとして注目されたい」と語りつつも、「何より小さな命が助かったことが一番の喜び」とも話してくれました。

■広がる感謝と安堵の声

投稿には「助かってよかった」「行動力がすごい」「大家さんに拍手」といったコメントが殺到。猫好きの人々からも「母猫がいなくても優しい人に見つけてもらえてよかった」と安堵の声が相次ぎました。

偶然に導かれ、迷わずに救いの手を差し伸べた人々。そして必死に生きようとする子猫。小さなドラマはSNSを通じて広がり、多くの人の心を温めています。

※子猫を一時預かりをした友人もVTuberとして活動準備中(「EchoNostalgia」)とのことです。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)