生後推定4カ月、ひとりぼっちで姿を現したこねぎくん(画像提供:ともさん)
生後推定4カ月、ひとりぼっちで姿を現したこねぎくん(画像提供:ともさん)

2025年が明けて間もなく、ハチワレ猫の「こねぎ」くん(男の子)は、ともさん(@reno_1128)の家の前に現れました。まだ生後推定4カ月。真冬の寒さの中、ひとりぼっちで過ごしていたといいます。

「1月中旬、『家の前に小さな子がいる』と家族の間で話題になりました。冬で雪もチラついていて、寒さをしのぐために自転車置き場にしている物置の中にすみ着いてしまったんです」

人懐っこく鳴きながら寄ってくる姿に心を動かされましたが、やがて道路を渡るようになり、事故の危険を感じた飼い主さんは保護を決意しました。

「『このままではいつか事故に遭ってしまう』と心配になり、保護しようと思うようになったのです。ただ、我が家にはすでに2匹の先住猫がいたので、まずは家族に相談して承諾を得ました。そうして2月下旬、猫じゃらしやおやつで誘って玄関の中へ。何とか保護することができました」

■新たな猫生への一歩ーー先住猫の反応は

お迎え初日、こねぎくんは緊張した様子でケージの中に身を隠していました。

「保護初日は、とても緊張した様子で、すぐケージの中にある入れ物に入って身を隠していました。警戒心はあるもののご飯はしっかり食べ、即席で作ったトイレも使ってくれたのには驚いたのを覚えています」

日を追うごとに緊張は解け、遊ぶ姿も見られるように。しかし、感染症の心配があったため、すぐに病院で検査を受けさせました。

「心配だったのは、感染症などの病気。先住猫にうつっては大変なので、すぐ病院で検査をしてもらい、結果がわかるまで先住猫とは接触しないよう別室で過ごしてもらいました。ただ、先住猫もこねぎのことが気になって、様子を見に行こうとするので隔離生活もなかなかに大変だったのを覚えています」

検査結果はすべて陰性。いよいよ先住猫たちと対面の時がやってきました。

「大柄な黒猫の『こばん』は、“やんのかステップ”で威嚇するこねぎにかまわずじっと様子を見守り、小柄なサバ白猫の『ぽんず』は、このとき体調が優れなかったため遠巻きに見ているだけ。先住猫ふたりはおおらかに、こねぎを受け入れてくれました」

■やんちゃでパワフル! 話題にことかかないこねぎくん

優しい家族と先住猫に見守られ、すくすくと成長したこねぎくん。現在、生後推定10カ月を迎えました。子猫らしくやんちゃで元気。こねぎくんの話題で家族の会話も増えたそうです。

「元気過ぎて大変なこともあるけどかけがえのない存在です。先住猫とは一緒に遊びたい欲が強くてちょっかいを出して体にしがみついたりして遊んでいますが、やり過ぎてたまに2匹に怒られることも。それでも先住猫と一緒にご飯を食べるのが好きなようです。夜、寝る時は私の布団で先住猫と一緒になって寝ています」

また、こねぎくんには家の中にお気に入りスポットがあるそうです。

「初めて家に入った時、玄関前の階段下で過ごしていたので、今でもその場所に行ったり、そこで遊んでほしそうにスリスリしながら甘えてきます。もしかしたら、階段下に行けば前のように遊んでもらえると思っているのかもしれません」

こねぎくんを保護したあの日を振り返って、飼い主さんはこう語ります。

「保護の翌日、記録的な大雪となり、人間の腰よりも高く積もったんです。『あのとき保護していなければ埋もれてしまったかも』と思います。あるいは道路に飛び出して事故に遭っていたかもしれません。そう考えると、あのときこねぎを保護して本当に良かったと思います」

優しい飼い主さん、そして先住のこばんくん、ぽんずちゃんとともに穏やかな日々を過ごすこねぎくん。今、飼い主さんが抱く思いとはーー

「ごはんの量が他の2匹以上に食べるので食費が2倍。太りますよ。爪を切る時は暴れないでください。あと寝てるとき顔の上通らないでください。他の2匹と仲良く、そしてなにより健康で長生きしてね、と伝えたいですね」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)