味の素はじめうまみ調味料は世界中に普及しています
味の素はじめうまみ調味料は世界中に普及しています

タイにおける味の素の普及がSNSで大きな注目を集めている。

「タイ王国で日本が製造元の白い粉が大量に出回りタイ国民の殆どが日々過剰摂取しもうこの結晶なしでは生活が成り立たず社会問題になっている」とその模様を紹介したのは元自衛官で在タイ歴10年半のMOTO中尉さん(@JGSDF_YTS_X7)。

調理過程の壷のような容器に、味の素をドバドバッと豪快に注ぐタイのご婦人。味の素は1909年に発売されて以来、日本の食文化を構築する上でうまみ調味料(化学調味料)として大きな役割を果たしてきたが、アジア各国でも大きなシェアを誇っているのだ。

報道によると、タイ市場は味の素株式会社の知られざる稼ぎ頭となっているという。長年にわたってタイの屋台の味を支え、主力商品の「味の素」の年間販売数量は日本の40倍に上るそうだ。

MOTO中尉さんにお話を聞いた。

ーータイの飲食店やスーパーで味の素を見かけることは多いのでしょうか?

MOTO中尉:レストランなどの厨房が見えない飲食店で見ることはまずありません。日本のようにテーブルの上の調味料のように配置されることはないです。しかし、屋台ではこの写真のように使用する光景は珍しくなく、スーパー、及びセブンイレブンのコンビニなどにも必ず売っているくらい普及しています。これは都心部に限らず地方に行っても変わりません。

ーーどんな“社会問題”に?

MOTO中尉:これは半分はジョーク、ネタという形で、あえて危ないお薬なような表現で笑いを誘おうとしました。

しかしあながちジョークとも言えない状況で、タイの世論では「昔はしっかり鳥を沢山さばいているお店は、ガラからだしを取ってるからおいしいと見分けられた。今はどの店も大量の味の素入れてるから風情が無くなってしまった」「料理人が味の素抜きにして自然に出汁を取る技法を失ってしまった」といった声が聞かれます。

日本人でもあると思いますが、明らかに適量とは言えない過剰な量の使用が健康問題につながるのではないかという不安を持つ人もいます。

ーー投稿に大きな反響が寄せられました。

MOTO中尉:一般的感覚を持った大半の方は当初の想定通り、単に「入れすぎだよ(笑)」という面白話として笑って受け止めてくれました。ですが「化学調味料が不健康だと何の根拠もないのに決めつけてる!」とか「何を根拠に過剰摂取と言ってるんだお前は!」のといったやたら攻撃的な反応をする人達も一定数あらわれ、化学調味料の否定派と肯定派の論争が見られたのには溜息が出ました。私は別にこの投稿で味の素が体に危険だとか、化学調味料がどうのなどの思想は一切発信していないのですが…。

私自身は化学調味料だから、天然由来だから、というのは気にしませんし、家庭でも味の素は普通に使います。タイ料理の中にはこういう風な使い方をしているものがあるというのも承知の上で美味しくいただいています。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「タイ料理って美味しいよね~ってタイ人に伝えると 秘密はア㊙️ノモトって、何度も言われましたね」
「インドネシアもや…白い粉がなくては生きられない状況になってしまい、ついには日本に帰国時に大量の白い粉を現地から運んでくる様になりました(価格が10分の1くらいなので)」
「メキシコ辺りでもマルちゃんが普及し過ぎて“会議が早く終わる=会議がマルちゃんする”とか“サッカーの超速攻作戦=マルちゃん作戦”とか若者が伝統の豆料理を食わなくなったとかイロイロ影響を与えてる模様w」

など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。当然ながら味の素などうまみ調味料の主成分であるグルタミン酸ナトリウムは、数々の機関の実験により安全性が確認されている。隠し味として使用することで世界の食環境を向上させていることは押さえておきたい。

なお、今回の話題を提供してくれたMOTO中尉さんはYouTubeチャンネル「MOTO中尉 Thailand Japanese Biker」で、日々タイの時事情報や日本とタイの関わり、歴史、タイ各地に残された日本人慰霊碑等を紹介している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)