福岡市中央区小笹にある歯のセルフホワイトニング専門店「Nalu Whitening(ナルーホワイトニング)」は、猫好きの間で評判のサロン。店長の安村望さんの飼い猫、茶トラの「チチ」(メス、推定6歳)、茶白の「モモ」(メス、推定8歳)とキジシロの「ヒデキチ」(オス、推定10歳)がお客さんを出迎えている。チチはほとんど店には出てこないレアキャラだがモモとヒデキチは人が大好き。安村さんにモモ、ヒデキチとの出会いや、接客の様子などについて聞いた。
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安村さん 2021年のある日、いつもの帰り道で、突然「にゃー」と近づいてきたのが、モモとの初めての出会いでした。
初対面なのに、すごく人なつこくて、いきなり私の膝の上に乗ってきて離れようとしないんです。その日は別れたんですけど、翌日もそこを通ると私の膝の上に乗ってきました。よく見ると、お尻の方から血が、お腹からは母乳のようなものも出ていたので、これは様子がおかしいと、夜間動物病院へ連れていったんです。
獣医さんいわく、健康状態は良好でしたが、「この子は出産したばかり」とのことでした。野良の母猫は隠れて出産するので、付近をくまなく探したのですが、赤ちゃんの姿や飼い主さんは見当たりませんでした。近所の人によると「母猫だけ捨てられたのではないか」とのことでした。実際、子猫がいたという話は今日まで聞いていません。
どんな事情だったかはわかりませんが、知らない私の膝にすぐ乗ってくるほどだったので、もしかしたら助けを求めていたのかもしれません。そこに戻すわけにはいかず、引き取り手もなかったので、家族に迎えることにしました。
家にはその2年前に保護した先住の保護猫「チチ」(当時2歳)がいて、仲良くしてくれるかなと不安でした。最初は互いに警戒しあっていたんですけど、次第にモモはチチの体を自分の子どものようにぺろぺろとなめはじめ、チチの面倒をみてくれるようになったんです。
その翌年(22年)、店(1階部分)がオープンし、猫飼育可物件だったため私が2階に住みこんで、2匹と一緒にここで暮らし始めることにしました。
キジシロのヒデキチを保護したのはそれから2年後の昨年(24年)2月。地域猫で、店の前でご飯をあげていたのですが、地域のボス猫に威嚇されていたんです。次第に「オレも飼ってくれよ」といわんばかりに店内で居座るようになり、根負けして飼うことになりました。
最初はチチからシャーシャーいわれていましたけど、1年半以上経った今、2匹とはだいぶ仲良くなりました。チチは警戒心が強いため、店にはめったに降りて来ず、会えたらラッキーなレアキャラですが、モモとヒデキチは、看板猫としてお客さんを癒してくれています。
2匹とも、カウンセリングのときや休憩時に、お客さんのそばへ寄っていき、なでてもらうのが好きですね。うちでは体に優しい機器や製品を使っています。ホワイトニングをすると、歯の表面の着色汚れを落ち、本来の自然な白さを取り戻せます。
お客さんは女性が9割で、猫好きさんばかりです。ホワイトニングが終わってからもずっと猫たちのそばにいて「なかなか帰れません」というお客さんもいます。
先日、仲の良かった同級生が2人続けて、ガンなどで亡くなり、ショックで精神的にまいっていたことがあったのですが、いつもと違うのがわかるんでしょうか。モモが私のそばを離れず、ずっと一緒にいてくれたんですよ。
いま、3匹は私の子どもみたいな存在。毎月一度、病院に連れて行き、爪が伸びていないか、歯垢や歯石がたまっていないかなど、3匹の健康チェックをしています。ヒデキチは野良だったからか歯の状態はよくなく、チチも先日、奥歯が抜けたんです。歯が悪くなると食べづらくなったり、病気の原因になったりするので、治療と予防に心がけています。お客さんも猫たちも、ともに「歯ッピー」でいられるよう、これからも努めていきたいです。
【店名】歯のセルフホワイトニング専門店「Nalu Whitening(ナルーホワイトニング)」
【住所】福岡市中央区小笹2-12-3 アーバンテラスファイブB-103
(まいどなニュース特約・西松 宏)

























