7年前、譲渡会で出会った小さな三毛猫・ハナちゃん(画像提供:ハナちゃんさん)
7年前、譲渡会で出会った小さな三毛猫・ハナちゃん(画像提供:ハナちゃんさん)

「今日は、ハナちゃんのうちの子記念日です。7歳になりました! うちに来たばかりのとき、こんなに小さかったんですね」

そんなコメントとともに投稿された写真には、へそ天でくつろぐ小さな三毛猫の「ハナ」ちゃん(女の子)が写っていました。飼い主のXユーザー・ハナちゃんさん(@ke8ro0ro31)とハナちゃんの出会いは、夫婦で初めて参加した譲渡会がきっかけでした。人気の高い子猫だったハナちゃんには、すでに複数の里親希望者がいたといいます。そこからどのようにしてご縁が結ばれたのでしょうかー。

■ひと目で心を奪われた“背中に羽”をもつ子猫

飼い主さん夫婦は大の猫好き。2018年、譲渡会で出会ったハナちゃんにすぐ目が留まったといいます。

「ほとんど一目惚れでしたね。かわいらしい三毛猫で、背中に羽のような模様があってーそれが天使の羽のように見えたんです」

心は決まったものの、ハナちゃんには他にも何組か里親希望の申し込みがあったといいます。

「幸運にも、私たちがご縁をいただきました。あとから聞いた話によると、ハナちゃんは繊細で少し気難しいところがある子だったので、先住猫がいるほうがいいだろうということで、我が家に決めていただいたようです」

こうしてハナちゃんは、飼い主さん夫婦のおうちでトライアル期間を過ごすことになりました。

■“家猫暮らし”に戸惑いもー 5年をかけて築いた絆

こうしておうちにやって来たハナちゃん。当初は、先住猫たちとは別の部屋で過ごしてもらい、少しずつ慣れてもらう予定でした。ところが、猫たちはそんな気遣いをよそに、ぐんぐん距離を縮めていったといいます。

「私たちよりも、先住猫たちのほうに慣れるのが早かったですね。ハナちゃんも先住猫たちもお互いのことが気になってしかたがない状態にーー2、3日後には一緒に過ごすようになりました」

そうして、ハナちゃんと先住猫・こたちゃんの心温まる光景も見られるようになりました。

「こたちゃんは男の子ながら、かいがいしくハナちゃんのお世話をしてくれたんです。トライアル期間は、あっという間に終わりました」

こうして正式に家族の一員になったハナちゃん。穏やかな暮らしが始まると思いきや、トライアル期間では見えなかった苦労もあったそうです。

「ハナちゃんのツンデレなところや気難しいところが現れるようになったんです。シャーシャーと威嚇されるのは当たり前。引っ掻かれたり、噛まれたりすることもありました。あとから迎えた福ちゃんという猫のことも怖がって威嚇していましたね」

そんなハナちゃんを、飼い主さん家族は根気よく見守り続けました。そうして5年が過ぎるころ、少しずつ変化が見られるようにー。

「今では、なでなでさせてくれるようになりました。少しなら抱っこもできるように。膝やお腹の上に乗ったり、布団の中に入って一緒に眠ったりもするようになりました」

ふれあいの時間が増えたハナちゃんは、のびのびと家での暮らしを楽しむようになったのです。

■“女王”として3匹の猫男子を従えるレディに

実は、ハナちゃんは一緒に暮らす先住猫のなかで唯一の女の子。3匹の男の子を相手に、堂々とした振る舞いを見せているそうです。

「ハナちゃんは、お迎えしたときから変わらず、超ツンデレ女子です。我が家の猫のなかで一番強いかもしれません。ボス猫の貫禄があるたまちゃんでさえ、ハナちゃんとはたまににらみ合いはするものの、たじたじの状態です」

ハナちゃんたちの暮らしぶりを発信する飼い主さんのXは、1.1万フォロワーをもつ人気アカウント。ツンデレぶりをフル発揮するハナちゃんの姿を、フォロワーさんたちはあたたかく、ほほえましく見守ってくれています。

「フォロワーさんから、ハナちゃんは『女王』と呼ばれています。おやつの時間になると、『アタチにおやつをくれていいのよ?』と言いたげな表情を浮かべながら、他の猫たちのあとからゆうゆうと最後に歩いてくるんですよ」

飼い主さんのおうちで過ごして7年。ハナちゃんの背中には今も“天使の羽”の模様がくっきりと現れています。ともに歩んだ日々を振り返り、今、飼い主さんが思うこととはー。

「一番の願いは、健康で長生きしてほしいです。お腹の上で寝られると、トイレに行きたくても行けなくて困ってしまうこともありますが、それも幸せの重みですね。『この幸せが長く長く続きますように』と祈っています」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)