赤いリボンがよく似合うあずきちゃん(画像提供:あずきさん)
赤いリボンがよく似合うあずきちゃん(画像提供:あずきさん)

黒猫と暮らしていると、日常の中に思わぬ“ヒヤリ”が潜んでいることがあります。そこにいるはずなのに見えない。見えないのに、確かに気配はある--。そんなトリックアートのような錯覚に陥った経験がある人も、きっと少なくないでしょう。いまXでは、黒猫と暮らす人ほど「わかっていても驚かされる」1枚が、静かな共感を集めています。

「これです! 注意! 黒猫を飼っている方は、黒い椅子に座る際は必ず確認しましょう!」

そんなコメントとともに投稿された写真に写っていたのは、黒猫の「あずき」ちゃん。ところが、つやのある黒い椅子と見事に同化しており、一瞬、どこにいるのかわからなくなってしまいます。よく見ると、キラリと輝くふたつの瞳が……。そこにお顔があるとわかっても、体はとろけるように椅子と一体化していました。

これでは、うっかりそのまま座ってしまうハプニングが起きても不思議ではありません。投稿には、黒猫と暮らしている人はもちろん、猫好きや動物好きの人たちからも、共感や驚きの声が次々と寄せられています。飼い主のXユーザー・あずきさん(@azuki2019_)に詳しいお話を伺いました。

■「これは危ない!」自戒をこめた1枚が話題に

飼い主さんによると、あずきちゃんは正確にはミックスの猫。千葉県北部で生まれ、現在6歳になる女の子です。今回の投稿は、飼い主さん自身の実体験がきっかけだったといいます。

「あずきの姿が見えなくて、どこに行ったのかと家中を探し回っていました。すると、この黒い椅子の上でくつろいでいるのを見つけて…あまりに見えづらかったので、『これは危ない!』と思い、写真におさめました」

あずきちゃんは、この黒い椅子の上でくつろぐのが大好き。このときも、いつものように心地よさそうに過ごしていたそうです。家の中とはいえ、光の当たり方や時間帯によって見え方は変わりますし、一緒に暮らしている家族であっても、ふとした瞬間に見落としてしまうことは十分にあり得ます。

「この姿を見たときは、本当に驚きました。擬態のプロだなと思いましたね」

ふだんから注意深く見守っている飼い主さんにとっても、このときの戸惑いは強く印象に残ったようです。

「もし、この黒い椅子の上にあずきがいることを確認せずに座っていたら、ケガなどの事故につながりかねなかったと思います。黒猫と暮らす飼い主さんにとって起こりやすいことでもあると感じたので、この体験をシェアしたいと思いました」

投稿は、黒猫の飼い主さんだけでなく、ほかの毛色の猫と暮らす人や、猫好きの人たちにも広く届きました。飼い主さんは「まさか、こんなに反応をいただくとは思っていませんでした」と、驚きを語ります。

黒猫は、熱心なファンが生まれやすい存在。暗がりに溶け込むミステリアスなシルエットや、被毛の色によって際立つ目の色や表情など、黒猫ならではの魅力があり、一度ハマると抜け出せない“沼”感もあります。

「あずきは、人間の食べ物には一切興味がない子です。刺身やササミなど、猫が好きそうな食べ物も口にしたことがありません。適度に甘えん坊で、優しくて賢いところがかわいいですね」

投稿には、黒いカーペットと同化した黒猫の写真を添えて「わかります!! 歩くときも気をつけます」というリプライも寄せられました。これに対し、飼い主さんが「これは危ない! カーペットの色を変えましょ!(笑)」と返信すると、今度は明るい色のカーペットの上に立つ姿を写した写真とともに「変えました! 安心」と応じる、ほほえましいやり取りも見られました。

また、「これは危険だ!」「確かにわからん」「踏んでしまう」「気配遮断がうますぎる」「これはわかりにくいですね。同化してますね」「夜、電気をつけていない部屋の中を歩くときは注意してました。ホント見えない」「我が家もすきをつかれたことが。本当に心臓が止まるかと…」などの声も寄せられています。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)