猫バイクを真正面からみると、寺の飼い猫「アウアウ」(写真右)にそっくり!(雲林寺提供)
猫バイクを真正面からみると、寺の飼い猫「アウアウ」(写真右)にそっくり!(雲林寺提供)

「猫寺」として親しまれている山口県萩市の「雲林寺」(角田慈成住職)駐車場に設置されたチェーンソーアートの「猫バイク」が、参拝にやってくるバイカーに大人気だ。ほぼ実物大のレーシングバイクを模したもので、正面には寺の飼い猫「アウアウ」(オス、推定10歳)の顔が彫られている。訪れたバイカーらは「こんなの見たことない!」などと言いながら、またがったり自分のバイクと一緒に記念写真を撮ったり。ツーリングの人気スポットになっている。

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このチェーンソーアートの「猫バイク」は幅約1メートル、全長は約2メートル。本物のレーシングバイクとほぼ同じ大きさで、寺の飼い猫「アウアウ」の顔や体がバイクと一体化した斬新なデザインとなっている。

「うちにはバイクで参拝に来られる方が多いんです。お寺の風景をバックに自分のバイクを撮られるのですが、自慢のバイクと一緒に撮れる何かがあれば、もっと楽しんでもらえるんじゃないかと思いまして」(角田住職)

そこで長年親交があり、同寺の猫の木彫像を数多く手掛けてきた山口市在住のチェーンソーアート作家・林隆雄さんに相談を持ちかけたところ、この猫バイクを制作することになった。

林さんはいう。「僕は若いころレーサーだったんです。4年間くらいロードレースなどをやっていました。お寺のアイドル猫・アウアウは昨年(25年)3月から病気になって3ヶ月間入院したんですよ。心配するファンの方々がたくさんいたこともあり、アウアウをモデルにしたレーシングバイクを作ろうということになりました」

林さんは昨年8月にアメリカで開催された「US open Chainsaw Sculpture Championship」で優勝するなど、これまで数々の受賞歴がある世界的に有名なチェーンソーアーティスト。自宅では保護猫15匹と暮らす大の猫好きとしても知られ、長年、同寺に猫の木彫りの作品を寄贈するなどしてきた。

猫バイクの制作期間は約2週間。廃校になった学校跡地にあった樹齢約130年のモミの木を用いた。「原寸のレーシングバイクより少し大きいですが、バイクと猫が風を切って疾走しているイメージで作りました。いいラインにおさまったなと思っています」と林さんはほほえむ。

昨年10月31日、完成した猫バイクをトラックで運搬し、同寺の駐車場に設置。転倒事故防止のため地面に鉄の杭を打ち込んで固定し、倒れないようにした。バイクの側面には同寺で販売されている人気の「道中安全お守りステッカー」もデザインし、「安全運転で旅をしてほしい」との願いを込めた。

後ろから見ると、オス猫ならではの「たまたま」も!「愛嬌があっていいですよね。またがったり、自分のバイクを隣に並べて写真を撮ったりと、みなさん、とても楽しんでいただいております。SNSでも人気です」(角田住職)

モデルになったアウアウは8年前、境内にふらっと現れた。当初は警戒心が強かったが、次第に参拝客にフレンドリーに接するようになり、寺のアイドル猫に。昨年3月、腎臓の具合が悪くなり、3ヶ月間入院。ぽっちゃりしていた体は痩せ細り、アウアウファンからは「早く元気になって」などと応援メッセージがたくさん届いたという。

退院して半年が経ったいまは元気になり、再び参拝者をもてなしている。「猫バイクと元気になったアウアウに会いにきて」と角田住職は話している。 

なお、同寺では毎年2月22日の猫の日に、「猫の健康祈願祭」を行っている。参加料無料。雲林寺の公式SNSにて参加募集中。

(まいどなニュース特約・西松 宏)