縞三毛猫の女の子「さごし」ちゃんが、“ずっとのおうち”をみつけたのは、2022年9月16日のことでした。当時の推定月齢は生後3カ月半。保護されたとき、さごしちゃんは十分に食べることができず、骨と皮といっても過言ではないほど痩せ細っていました。保護したXユーザーのネムノキさん(@katsusagosakana)は、その姿をひと目みて「いつ命を落としてもおかしくない」と感じたといいます。
■先住猫の悩みが導いた運命の出会い
飼い主さんがさごしちゃんを迎えることを考え始めたのは、先住猫の「かつお」ちゃんとの関係に悩んでいたことがきっかけでした。
「先住猫のかつおを迎えて3カ月後、かつおの噛み癖に心底悩んでいて、対処法などを調べに調べて試していたのですが、全て効果がありませんでした。もしかしたら、もう1匹猫を迎えたら、猫同士、学び合うことができるのではと思ったのです」
そう考えた飼い主さんは、かつおちゃんを保護したお宅の庭に子猫がいることを知ります。そのお宅に相談し、許可を得て保護に向かいました。
「息子たちと一緒にキャリーを持ってうかがうと、どこにも見当たらず…あきらめかけたそのとき、ミャアミャアと鳴いて子猫が駆け寄って来たんです。それが、さごしでした」
保護されたさごしちゃんは体が汚れ、ガリガリに痩せて衰弱していました。その姿を見た飼い主さんの次男さんが「お迎えしよう」と一言。長男さんもそれに同意し、家族全員で迎えることを決意しました。
「あまりに小さく、いつ息絶えてもおかしくない子猫。元気になってくれるだろうかという不安にかられながら、家族の一員として迎え入れることを決めました」と、当時の心境を語ってくれました。
■猫風邪による目の異常… 医師の見立ては?
さごしちゃんを保護した飼い主さんは、そのまま車で動物病院へ直行。診察の結果、猫風邪をひいていることが判明し、飲み薬と点眼薬が処方されました。
「さごしは、初日からまったく怯えず、よく食べ、よく遊び、ぐっすり眠っていました」と、保護直後から驚くほどの順応力を見せてくれたさごしちゃんですが、健康面で特に心配だったのは左目の状態でした。
「健康面で一番心配だったのは、左目の状態が見るからに悪かったことです。そのため、自宅に連れて帰る前にまた病院へ」
再度の受診で、医師からは「猫風邪が原因で、瞬膜と瞼が癒着している」と告げられます。
「このままずっとお家で生活していけるのなら、自分で食べるものを獲る必要もないし、危険もない。このままでもいい。でも成長するにつれ“引き攣れ”が起こるかも知れない。手術をしてあげることもできる」という説明を受け、まずは家で様子を見ながら、変化があればすぐに受診するという方針に決めたそうです。
隔離部屋での生活となりましたが、さごしちゃんはやはり怯えることなく、食欲旺盛でよく遊び、よく眠っていたとのこと。そのマイペースさに、飼い主さんは安堵したといいます。
■先住猫と激しいニャンプロ! のちにほっこり展開に
さごしちゃんの健康状態が回復し、治療の目途が立ったタイミングで、ついに先住猫のかつおちゃんとの同居がスタートしました。
まずは1週間、長男さんの部屋に置いたケージの中で過ごすことに。環境が変わっても、さごしちゃんはすぐにゴロゴロと喉を鳴らし、安心して過ごしていたそうです。
「ケージ越しに会わせると、かつおは必死でちょっかいをかけるのですが、さごしは相手にしませんでした」
飼い主さんは、さごしちゃんの様子に「とてもマイペースな子だなと思った」と振り返ります。
そして、ケージからさごしちゃんを出して対面させた直後、家中で1時間にもわたる激しい追いかけっこや“ニャンプロ”が繰り広げられました。長男さんは心配して止めようとしましたが、飼い主さんはそれを制しました。
「私は『止めなくてもいいよ! これは通過点で、かつおとさごしにとって必要なことだから』と伝えました」
そばで見守り、怪我がないように注意を払っていた飼い主さん。すると、まるで糸が切れたようにパタリと静かになり、2匹は抱き合って眠り始めたそうです。
■小さな猫社会がもたらした驚きの変化
2匹が一緒に過ごすようになると、お互いに毛づくろいをしあったり、寄り添って眠る姿が見られるようになりました。
「その姿がとても微笑ましくて、私たち家族は幸せな気持ちになりました」と、飼い主さん。
そして、驚くべき変化が先住猫のかつおちゃんに起こりました。
「驚いたのは、かつおの噛み癖がぴたりと無くなったこと。今では懐かしく思えるほど、まったく噛まなくなりました」
噛み癖に悩んでいた飼い主さんにとって、これはまさに奇跡でした。かつおちゃんは、さごしちゃんという妹ができたことで、その教育や世話に追われる「お姉ちゃん」としての役割を担うようになったのです。
「かつおは、お姉ちゃんとして、さごしのお世話に追われ、教育に励み、毎日、疲れきって熟睡するように。さごしを迎えたことで、家のなかに“小さな猫社会”ができたようです」
今では、飼い主さん家族がリビングでくつろいでいると、2匹がまるで言葉を交わすように阿吽の呼吸で別の部屋へ行き、仲良く添い寝する姿が日常となっています。
「思わず、笑みがこぼれることもしばしば。本当の姉妹のように仲良くなりました」と、幸せな様子を話してくれました。
■愛くるしい「天真爛漫」な末っ子
さごしちゃんは、現在3歳になりました。「本当に天真爛漫という言葉がピッタリな子です」と飼い主さんは語っています。お迎えしたその日から、食欲旺盛でよく遊び、よく眠ることが大好きという点は変わらず。得意技は「とってこい」だそうです。
「おおざっぱなところがあるので、トイレはだいたい外しますし、何が置いてあってもその上からドカーンと寝転びます。繊細な性格のかつおとは正反対。でもそんなところが愛おしくてたまりません」
さごしちゃんは、飼い主さんの家庭を明るく照らしてくれる存在になりました。これからはあたたかいおうちで、幸せな猫生を送ることでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)























